研究課題/領域番号 |
19K23972
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 福島県立医科大学 (2021-2022) 長崎大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山藤 栄一郎 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30849542)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発疹熱 / 日本紅斑熱 / つつが虫病 / リケッチア感染症 / ヤマビル / ダニ / ベクター媒介感染症 / リケッチア症 / リケッチア / ヒル / リケッチア・ジャポニカ |
研究開始時の研究の概要 |
日本紅斑熱は、Rickettsia japonicaが原因微生物であり、マダニ以外の媒介生物は知られていない。 しかし申請者は、ヤマビル咬傷による日本紅斑熱の発症例に加え、同疾患の13%がヤマビル咬傷後の発症であったことを報告し、ヤマビルを新規の媒介生物の一つと推定している。 そこで本研究では、 ① 千葉県南房総で、ヤマビルの体内からR. japonicaを検出し、 ② 同地域でヤマビルの吸血被害の実態と、R. japonica抗体保有率との相関を評価し、予防や啓発に役立てることを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、175匹のヤマビルから日本紅斑熱の病原体であるRickettsia japonica DNAの検出はできなかったが、血清疫学的に新しい知見が得られた。千葉県南部のリケッチア感染症はつつが虫病と日本紅斑熱と考えられていたが、発疹熱の病原体であるRickettsia typhiの抗体陽性率が最も高いを明らかにした。なお、R. japonicaとR. typhiの血清学的交差性も検討し、IgM、IgGどちらも約20%の頻度であり、さらに急性期, 回復期の抗体価を比較すれば交差反応を認めた例のほとんどで両疾患の区別が可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リケッチア感染症の一つである発疹熱は、元々風土病として知られていたが、リケッチア感染症の報告は第4類感染症のつつが虫病や日本紅斑熱がほとんどで、届出義務のない発疹熱の国内事例はほとんど報告がなかった。今回、リケッチア感染症の流行地域で研究を行い、血清疫学的につつが虫病や日本紅斑熱よりも、発疹熱(Rickettsia typhi)の抗体陽性率が最も高く、同時に日本紅斑熱患者における交差反応はあっても限定的であることも明らかにした。つまり、ほとんどの発疹熱患者が診断されていなかったことを示唆している。そのため、発疹熱の診断と報告体制の構築が、実態把握のために喫緊の課題であることを示した。
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