研究課題/領域番号 |
19K23982
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
正田 若菜 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10846059)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Na-Cl共輸送体 / Na/Ca共輸送体 / カルシニューリン / カリウム / カルシウム / Na/Ca交換輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
カリウム(K)の排泄は、腎臓の遠位尿細管に存在するNa-Cl共輸送体(NCC)で調節されている。多量のKを摂取した時のKの排泄制御にはカルシニューリン(CaN)が関与しており、高Kが細胞内のカルシウム(Ca)を増加させ、活性化したCaNがNCCを脱リン酸化する機序が考えられている。しかしながら、高K負荷後どのように細胞内のCaが増加するのか、詳細な機序は不明である。本研究は、高K時にCaの流入経路となり得るNa/Ca交換輸送体(NCX)に着目し、NCX阻害剤や遺伝子改変マウスを用い、急性高K血症時のK排泄制御の詳細な分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
高K摂取時のKバランスの調節にNa-Cl共輸送体(NCC)は重要な役割を果たす。これまでに、高K負荷時のNCCの制御にはカルシニューリン(CaN)が関与することを示してきたが、詳細な分子機構は不明であった。本研究は、Na/Ca共輸送体(NCX1)に注目し、細胞実験および動物実験により、NCX1を阻害すると、細胞内Caの増加が抑制され、K負荷後のNCC脱リン酸化が認められず、マウスにおいては尿中のK排泄が抑制され、高K血症を来すことを示した。本研究の結果から、高K時のCaNの活性およびNCC脱リン酸化には、NCX1を介したCaの流入が重要であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、血圧低下作用など、K摂取の有用性が報告されているが、一方で腎不全患者では適切なK排泄ができず、致死的な急性高K血症をきたすことがあるため、K摂取には注意を要する。また、免疫抑制剤としてタクロリムスなどのCaN阻害剤が多くの疾患で使用されるが、その有害事象である高K血症と高血圧がしばしば問題となっている。 本研究において、KによるCaNを介したNCCの制御機構の詳細を明らかにしたことは、塩分感受性高血圧や高K血症の治療、またNCCの機能異常によって低K血症を呈するギッテルマン症候群などの治療法開発につながるため重要である。
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