研究課題/領域番号 |
19K23986
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高田 耕平 福岡大学, 医学部, 講師 (50765279)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 冠動脈石灰化 / 喫煙 / 禁煙 / 腸内細菌叢 / 生活習慣 / 高比重リポ蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
計画している具体的な研究項目は、①HDL機能と腸内細菌叢の関連性を禁煙前後で検証する。②腸内細菌叢から産生される動脈硬化促進因子TMAO (trimethylamine N-oxide: トリメチルアミンNオキシド) のHDL機能に対する直接的な影響を検証する。③上記①②より得られた知見に基づいた腸内細菌叢への介入を喫煙動脈硬化モデルマウスで行い、HDL機能と動脈硬化性病変の変化を検証する、の3つである。
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研究成果の概要 |
喫煙に関する情報を有し、胸部マルチスライスCTによる冠動脈石灰化スコアを算出された一般集団の計315名を対象とし、喫煙と冠動脈石灰化の関連性における腸内細菌叢の関与について検証した。門レベルでSpirochaetes・Saccharibacteria・Firmicutesといった腸内細菌が喫煙状況と関連していた。多変量解析により、現在の喫煙と冠動脈石灰化の関係の25.7%が、一方で禁煙と冠動脈石灰化の関係の4.7%が腸内細菌叢を介している可能性が示された。 なお禁煙補助薬の出荷停止やCOVID-19感染症流行を受けて、研究内容を上述のような遂行可能な形で行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般集団における検討で、喫煙状況による冠動脈石灰化との関連性を一部の腸内細菌が調節している可能性が示された。現在喫煙者と非喫煙者、さらには現在喫煙者と直近30日以内の禁煙者の比較における腸内細菌の差異に注目し、さらにはこれらの腸内細菌を増やすような介入 (食生活・運動、プレ/プロバイオティクス、抗生物質、糞便移植等)を行うことで、動脈硬化性心血管病のリスク低下がもたらされる可能性がある。このようなアプローチに基づき、動脈硬化性心血管疾患の発症を抑制することで、高騰する医療費抑制につながり、社会的にも貢献し得ると期待される。
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