研究課題/領域番号 |
19K23988
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心不全 / 遺伝子治療 / 合成遺伝子回路 / 表現型スクリーニング / microRNA / 合成生物学 / 心筋細胞保護関連因子 / 病的ストレス感受性遺伝子プロモーター |
研究開始時の研究の概要 |
心不全の病態は生物学的ネットワーク全体の偏移であり、治療標的因子の単純な過剰発現や抑制では心不全の解決は困難である。実際、多くの生体物質はその発現する時期や細胞種、発現量によって全く異なる効果を示す。この問題を解決するため、本研究では「合成遺伝子回路」を用いた心不全に対する次世代遺伝子治療の開発を行う。合成遺伝子回路は遺伝子の自律的な発現量の調整を可能とする。網羅的表現型スクリーニングによる治療因子及びストレスセンサーの同定や合成転写調節因子を用いた論理回路の作成により、心不全治療を目的とした合成遺伝子回路を組み立て、その機能を生体外及び生体内の実験で検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、合成生物学的アプローチを用いて、心不全の次世代遺伝子治療を開発した。具体的には、ゲノムスケールのプール型表現型スクリーニングにより、心不全に対する新規治療因子を同定した。また、細胞の種類や状態に合わせて導入遺伝子の発現量を適切な治療域に自律的に調整する新規遺伝子発現基盤技術を開発した。新規治療因子と新規遺伝子発現基盤技術を組み合わせて、心不全の次世代遺伝子治療技術を完成させた。心筋細胞を用いた実験により、その治療効果を確認した。以上の研究成果は、細胞レベルの個別化医療を実現し、心不全の根本的解決につながることが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会である我が国では、心不全の罹患率及び死亡率が急増しており、根本的解決につながる治療法の開発が急務である。心不全の病態は、様々な細胞や生体物質が構成する生物学的ネットワーク全体の偏移である。よって、その根本的解決には適切な因子を、適切な時期に、適切な量を、適切な細胞で発現させる必要がある。 本研究では、以上の問題点を解決する心不全の次世代遺伝子治療を開発した。この次世代遺伝子治療は細胞レベルの個別化医療を可能にし、現在の治療戦略よりも効果的かつ副作用の少ない心不全治療を提供することが期待できる。さらに、本研究は合成遺伝子回路を用いた遺伝子治療開発の標準化手法を提供する。
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