研究課題/領域番号 |
19K23991
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上月 智司 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 研究員 (60850972)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 肝臓 / 細胞増殖 / 幹細胞 / 代謝 / 妊娠 / scRNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠期には、母体の肝臓が短期間で顕著に肥大する。この肝臓肥大化には、時空間的に厳密に制御された肝細胞の増殖が伴う。この現象は、妊娠に伴う母体の代謝変化と生理機能および正常な妊娠・出産に必須と予想されるが、その分子機構や生理学的意義は不明である。 そこで、本研究課題では、妊娠期の肝臓において、肝細胞の増殖が時空間的相互作用により制御されるメカニズムおよび、その生理学的意義を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
妊娠期において、胎児の発生を支えるため母体の肝臓の代謝状態は大きく変化する。しかしながら、肝細胞がこれらの代謝変化にどのような影響を与えるかについてはほとんど明らかになっていなかった。そこで妊娠期において、肝細胞の増殖について詳細に解析したところ、時空間的に制御されていることが明らかとなった。すなわち門脈周囲の肝細胞は妊娠初期に、中心静脈周囲の肝細胞は妊娠後期に増殖していた。妊娠初期おける門脈周囲の肝細胞の増殖を阻害することで、肝臓の肥大化および代謝状態の適応が抑制されたことから、門脈周囲の肝細胞増殖の重要性が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、肝小葉内の各ゾーンの最も内側に増殖性の高い肝細胞が存在することが報告されていた。妊娠期の肝臓肥大化において、これらの特殊な肝細胞が関与するかどうかは明らかとなっていなかったが、本研究により、各ゾーンに散在する肝細胞が異なるタイミングで増殖することで肝臓が肥大化することが明らかとなった。また、特定のゾーンの肝細胞増殖が個体に与える影響については不明な点が多かったが、妊娠というライフイベントにおいて門脈周囲の肝細胞の増殖が、代謝状態の適応という大きな影響を個体レベルで与えるということが明らかとなった。
|