研究課題/領域番号 |
19K24001
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
真島 清実 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (90844465)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジメチルフマレート / 移植片対宿主病 / GVHD / 移植片対宿主病(GVHD) / 造血幹細胞移植 / 移植片対白血病効果(GVL effect) / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
難治性血液がんに対する根治療法は、造血幹細胞移植のみである。しかし移植片対宿主病(GVHD)を予防する既存の免疫抑制療法は抗腫瘍効果も弱めてしまう。従ってドナー細胞の制御だけでなく、GVHD標的臓器の保護を図る計画を着想した。特にジメチルフマレート(DMF)は活性化免疫細胞を抑制し、生体防御遺伝子の発現を誘導するとされている。本研究では、1)DMFによるリンパ球のメタボロームの変化、2)DMFによるGVHD標的臓器の保護、3)既に確立したGVHD異種移植モデルを用いてDMFによるGVHD及び抗白血病効果の抑制作用、を明らかにする。本研究によりGVHDの軽減を目指す新規治療法の開発が期待される。
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研究実績の概要 |
まず,既存の報告にあるように,マウス―マウスの同種移植の系においてジメチルフマレートを移植片対宿主病(GVHD)予防薬として用いて治療する実験を行ったが,既存の報告と同じマウスとジメチルフマレートの投与量を用いても,生存の延長には至らなかった. 次に,ヒト単核球を移植した異種移植のNOGマウスの生存を延長させるモデルを作成したところ,生存を延長させることに成功した.
In vitroのヒト単核球を刺激してジメチルフマレートを投与する実験では,ジメチルフマレートは濃度依存性にヒト単核球のKi-67の発現とIFN-γの発現を抑制するとともに,PD-1の発現も抑えることが分かった.また,ヒトCD4T細胞を刺激して培養し,ジメチルフマレートを作用させると,解糖ストレステストでECARがジメチルフマレートの濃度依存的に低下することを確認した.また,アポトーシスアッセイを行うと,ジメチルフマレートを作用させた活性化T細胞のほうがアポトーシスが増加するものの,10%前後であり,この解糖系が低下する現象が,単にアポトーシスが起きているだけでないことも確認している.
現在は,In vivoの系にて,生存を延長させる機序の解明を行っている.フローサイトメトリの解析では,ジメチルフマレートは,異種移植のマウスモデルにて,ヒトT細胞をCD4優位に抑制することが分かった.フラックスアナライザーなども行い,さらなる解析を進めている.
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