研究課題/領域番号 |
19K24006
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊佐治 寿彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40779790)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 動静脈瘻 / 内膜肥厚 / 内皮機能 / eNOS / 糖尿病 / 性差 / Sildenafil / ブラッドアクセス / ハイリスク群 |
研究開始時の研究の概要 |
自己静脈を用いた動静脈瘻は維持透析用ブラッドアクセスの第一選択であるが、造設後一年の一次開存率は約60%と極めて成績が悪く、これまでの研究で動静脈瘻不全に至る症例の疫学的なハイリスク群が明らかにされている。本研究の目的は、マウス動静脈瘻モデルを用いて、動静脈瘻不全ハイリスク群における内膜肥厚のメカニズムを解明し、ハイリスク患者の手術成績改善につなげることである。性ホルモンの内膜肥厚に対する影響を検討し、動静脈瘻不全に対するホルモン療法の可能性を探る。ストレプトゾトシン投与によるⅠ型糖尿病マウスの動静脈瘻モデルを作成し動静脈瘻不全のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
糖尿病は透析用動静脈瘻の内膜肥厚による閉塞のリスク因子として知られている。我々は、糖尿病患者の血管内皮障害に着目し、eNOSを増強するシルデナフィル投与の有無による動静脈瘻術後成熟の比較検討をマウスモデルで行った。術後6週間の動静脈瘻開存率と内膜肥厚の程度に差はなかったが、シャント化大静脈径はシルデナフィル投与群が拡張する傾向にあった。ストレプトゾトシン投与によるⅠ型糖尿病マウスモデル動静脈瘻の作成を試みたが術後経過中の死亡率が高く対照群との比較研究は困難であった。その他に、マウスの卵巣摘出モデルを作成したが、術後の死亡率が高く、動静脈瘻モデルの作成まで至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工透析を要する慢性腎不全患者におけるブラッドアクセスの長期開存の確保は喫緊の課題である。これまで我々は動静脈瘻造設術後の成熟と不全を司るいくつかの分子に着目してきたが、いずれも動物実験段階から実臨床への応用の道のりには数多くのプロセスを経る必要がある。シルデナフィルは勃起不全症に対する治療薬として薬事承認を受けた薬剤であり、本研究を発展させて動静脈瘻に対する内膜肥厚制御効果さらに長期開存率改善効果が認められれば、比較的早期の臨床応用が期待できる。
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