研究課題/領域番号 |
19K24011
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 里奈 京都大学, 医学研究科, 助教 (80847517)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 虚血再灌流障害 / 肺移植 / 抗炎症性脂質メディエーター / 脂質メディエーター / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺移植後の虚血再灌流肺障害は、術後早期の死亡要因で、かつ、慢性拒絶のリスク因子とされ、その予防・治療は、肺移植後の成績向上のために必須である。虚血再灌流障害による臓器障害は、障害された血管内皮から好中球が血管外に浸潤することで引き起こされる「炎症」により増悪する。今回、Resolvin、Lipoxinなどといった抗炎症作用を有する脂質メディエーターに着目し、抗炎症脂質メディエーターの虚血再灌流障害に対する効果を検討する。そして、抗炎症脂質メディエーターの移植領域における臨床応用の可能性について探索する。
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研究成果の概要 |
アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸から生成され抗炎症作用を有する脂質メディエーターの虚血再灌流肺障害への応用可能性を探索するため、ラットの肺門を一定時間遮断して換気血流を遮断したのちに遮断を解除、換気血流を再開し虚血再灌流肺障害を生じさせるラット肺門クランプモデルにおいて、抗炎症性脂質メディエーターの受容体の1つであるFPR2に作用するAspirin-triggered Resolvin D1と、Aspirin-triggered Lipoxin A4が、肺障害を軽減すること、抗炎症効果をもたらすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚血状態におかれた肺に換気と血流が再開されることにより発症する虚血再灌流肺障害は、肺移植後においては早期の主要な死亡原因のみならず、移植肺の長期成績に影響する。その肺障害の要因は過度な炎症であることが報告されている。今回、申請者は、FPR2受容体に作用するAspirin-triggered Resolvin D1と、Aspirin-triggered Lipoxin A4が虚血再灌流肺障害肺障害に対して保護効果をもたらすことを明らかにした。本研究は、虚血再灌流肺障害における過度な炎症を抑制し臓器を保護するの新たな治療法の提案の基礎になる可能性がある。
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