研究課題/領域番号 |
19K24017
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
池江 隆正 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90363613)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 短腸症候群 / IFALD / 抗酸化物質 / 水素水 / IFALD / 水素 / 絶食 / TPN / 抗酸化作用 / ハイドロゲン・ナノバブル |
研究開始時の研究の概要 |
短腸症候群患児らは長期絶食下での完全静脈栄養(TPN)による術後管理が必要となるが、腸管不全関連肝障害(IFALD)を発症すると、予後に多大な影響を及ぼす。TPN管理下におけるIFALDの発生機序は未だ明らかではないが、生体内でのフリーラジカルによる組織障害が原因の一つとして近年報告されている。一方、新たな抗酸化物質として水素を治療に用いる研究が進んでおり、生体内でのフリーラジカルによる組織障害を軽減することが知られている。当研究では、当施設のIFALDモデルラットに水素ガスを用いたハイドロゲン・ナノバブルを投与することでIFALDの発症機序の究明と画期的な予防法・治療法を開発する。
|
研究成果の概要 |
短腸症候群(SBS)患児らは完全静脈栄養(TPN)による術後管理が必要となるが、腸管不全関連肝障害(IFALD)はTPNの致命的な合併症である。IFALDの病因としてフリーラジカルによる組織障害が原因として報告されており、抗酸化物質である水素をSBSモデルラットに投与して、IFALDに対する予防治療効果を検討した。水素は、高濃度水素を溶存させる水素封入輸液製剤を用いて静脈内投与することとした。水素封入輸液製剤の溶存水素濃度の半減期は3時間以下であり、既存の機器では水素濃度を安定化しつつモデルラットに投与する方法は確立できていない。投与方法のさらなる検討が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新しい抗酸化物質によるIFALDの予防的効果が明らかになれば、難渋するIFALD診療における画期的な予防・治療法の開発に繋がる。水素は安価で入手も容易な物質であり、静脈内への投与方法を含め、抗酸化物質としての使用方法が確立されれば、小児のSBS患児のみならず、成人のSBS患者やIFALDと同様の肝障害に対する治療に応用できる。本研究の対象となる患者数は潜在的に非常に多いと考えられる。
|