研究課題/領域番号 |
19K24019
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
宮内 智之 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (10852303)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝虚血再灌流障害 / イヌリン / 腸内細菌叢 / 短鎖脂肪酸 / 制御性T細胞 / 肝臓外科 / 肝移植 / 水溶性植物繊維 / 肝障害 / 有機酸 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血状態にある組織に血液が再灌流した際に惹起される組織障害のことを虚血再灌流障害(IRI)という。臨床的には臓器移植,梗塞などの血栓・塞栓症において問題となる。特に肝臓外科領域では、肝切除時の出血量低下を目的とした肝血流の流入遮断や肝移植の際に生じる回避できない事象であり、IRIの予防・軽減はいまだ重要な課題である。 近年、外科手術領域では在院日数の短縮や術後合併症の軽減を目的としたEnhanced recovery After Surgeryという概念に基づいて、術前術後の栄養療法が実践されている。本研究はIRIに対する食事ならびに栄養療法の抗炎症効果とメカニズム解析に焦点をおいたものである。
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研究成果の概要 |
虚血再灌流障害は一時的に虚血となった臓器に血行が再開することで生じる組織障害のことである。水溶性植物繊維であるイヌリンの経口摂取はマウス肝虚血再灌流障害を軽減した。イヌリンを経口摂取したマウスにおいては、腸内細菌叢が変化し、Bacteroidetes門の増加がみられ、これにより門脈血中のプロピオン酸の濃度が上昇したことが肝虚血再灌流障害抑制の鍵であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝切除や肝移植といった肝臓外科領域において、肝虚血再灌流障害は回避できない病態であり、その克服はいまだ課題である。イヌリンにおいては、抗炎症作用や腸内細菌叢に対する影響について報告されているが、肝虚血再灌流障害に対する効果は不明であった。 本研究では、術前にイヌリンを経口摂取するという簡便な方法により、肝虚血再灌流障害を抑制することを見出した内容である。 イヌリン配合経腸栄養剤が市販されている現在、実臨臨床への応用も十分考えられ、社会的意義も大きいと考えられる。
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