研究課題/領域番号 |
19K24023
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺西 裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50844635)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経線維腫症2型 / 髄膜腫 / 神経鞘腫 / 腫瘍免疫 / 神経線維腫症2型(NF2) / 腫瘍微小環境 / RNAシークエンス / 免疫染色 / 体細胞モザイク |
研究開始時の研究の概要 |
神経線維腫症2型(NF2)は脳腫瘍が多発する予後不良な遺伝性疾患で、根治治療法が存在しない。NF2遺伝子の生殖細胞変異により惹起された細胞増殖カスケードを標的にした分子標的治療薬は根治的ではなく、よって腫瘍増大の分子基盤の解明や、新しい分子標的の探索が急務である。我々はこれまでに本邦で初めてNF2に関する網羅的遺伝子解析を行い、非腫瘍細胞のNF2変異がNF2関連腫瘍の増大に強く影響している可能性を発見した。本研究の目的はNF2関連腫瘍の腫瘍免疫に関する免疫ゲノム解析・マルチオミクス解析から、腫瘍内の細胞分画や微小環境の評価を通じ、NF2関連腫瘍増大の分子メカニズムを解明することである。
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研究成果の概要 |
本研究では1)NF2に合併する腫瘍の臨床的腫瘍動態とgermline NF2 mutation statusの関係の解析、2)NF2に合併する腫瘍細胞とその周囲間質の相互シグナルおよび腫瘍免疫の解析を行った。1)の解析では、NF2変異allele頻度と神経鞘腫及び髄膜腫の関係が腫瘍によって異なることが明らかとなった(J Med Genet 2020)。 次に2)の解析ではNF2合併髄膜腫と孤発性NF2変異髄膜腫のbulk RNA seq、様々なin silico解析や免疫染色を行い、NF2合併髄膜腫においては孤発性NF2変異髄膜腫に対して免疫反応が亢進していることが新たにわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はNF2関連腫瘍である神経鞘腫と髄膜腫の発生機序が異なる可能性があること、また同じ髄膜腫であってもNF2関連髄膜腫と孤発性NF2変異髄膜腫では異なることを発見した。これは現在有効な根治治療薬が無いNF2においては新たな治療ターゲット探索研究の基盤となる可能性がある。
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