研究課題/領域番号 |
19K24024
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐川 綾子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (90844176)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 眼内悪性リンパ腫 / 分子標的治療 / 遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
Bruton 型チロシンキナーゼ阻害 剤(BTK 阻害剤)は、眼内悪性リンパ腫に対する疾患特異的な標的治療として有効であるか検証するため、眼内悪性リンパ腫の疾患遺伝子であるCD79B細胞株に対するBTK阻害剤の有効性を確認し、免疫不全ラットにCD79B細胞株及び患者由来眼内悪性リンパ腫検体を眼内移植する。これらの患者由来モデル動物に対して、BTK 阻害剤を内服投与し抗腫瘍効果を認めるかを検証する。
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研究成果の概要 |
申請者は、微量な眼内悪性リンパ腫の患者検体から、digital PCR解析を用いて、高感度に遺伝子変異検出可能な系を確立し、新規変異遺伝子を含む4遺伝子(MYD88,CD79B,GENEX,GENEY)を同定した。BTK阻害剤は、網膜血液関門透過性が良好で治療候補薬と考えられた。そこで、MYD88遺伝子変異を有することを証明した細胞株(MWCL-1)を用いて、安定した腫瘍増殖能を確立し、各阻害剤の有効性を検証した。第1世代及び第2世代BTK阻害剤、GENEX、GENEY遺伝子阻害剤は、MWCL-1細胞株の増殖を濃度依存的に抑制する傾向がみられ、各分子標的薬の増殖抑制効果が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
眼内悪性リンパ腫の検体量は微量で、疾患特異的遺伝子を見出すことは困難で更なる候補治療薬の検討は難しかった。申請者は、digital PCR解析を用い、新規変異遺伝子を含む4遺伝子(MYD88,CD79B,GENEX,GENEY)を見出し、治療候補薬を検討した。MYD88遺伝子変異を有する細胞株(MWCL-1)を用いて、全ての疾患特異的遺伝子阻害剤(第1及び第2世代BTK阻害剤、GENEX、GENEY阻害剤)は、MWCL-1の増殖を濃度依存的に抑制する傾向がみられ、各分子標的薬の増殖抑制効果が示された。生命予後不良な眼内悪性リンパ腫の疾患特異的治療薬の新たな開発に繋がる可能性がある研究である。
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