研究課題/領域番号 |
19K24036
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
安野 翔平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10847396)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脂肪由来幹細胞 / 変形性関節症 / 軟骨損傷 / 脂肪幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、脂肪由来幹細胞を関節内に局所投与し、変形性関節症に対する予防あるいは治療に対する有効性を組織学的および分子細胞学的に検討することである。抗炎症作用および組織修復能がある脂肪由来幹細胞を関節内に局所投与し、その骨軟骨修復に対する有用性を検討する。本研究の方法として、まずLewisラットの膝で変形性膝関節症モデルを作製する。次に同種のGFP導入ラットから分離培養した脂肪由来幹細胞を精製培養し、関節内に局所投与するが、細胞レベルおよび細胞塊(スフェロイド)の関節注射とシート状にしたものを貼付して、関節内の硝子軟骨および内側半月板の修復に対する影響を検証する。
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研究成果の概要 |
脂肪由来幹細胞(ADSC)は抗炎症作用があることが知られている。そこで、ADSCおよびADSCを細胞塊にしたスフェロイドの変形性膝関節症における軟骨損傷に対する予防効果を検証した。ラットの膝において前十字靭帯および内側半月板を切除して変形性膝関節症モデルを作製し、ADSCの細胞単独やスフェロイドを投与したところ、スフェロイド投与群では軟骨変性が有意に抑制されていた。以上からスフェロイド型のADSCは軟骨変性抑制作用を有することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
50歳以上では1000万人が変形性膝関節症による膝痛を経験していると報告されている。変形性関節症の治療には種々の薬物治療や手術治療がこれまでに報告されているが、疾患の主座である関節軟骨の変性の進行を予防することはできず、障害された軟骨の再生が得られるわけではない。そこで我々は、今回脂肪由来幹細胞の変形性関節症における軟骨損傷抑制効果を検証することとした。本研究の手法での軟骨損傷抑制効果が証明されれば、簡便に採取する事が可能な脂肪由来幹細胞の局所投与は、有効で安全な関節炎治療法への基礎となる可能性がある。本研究で示した、脂肪由来幹細胞のスフェロイド型の局所投与はその臨床応用への根拠となりえる。
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