研究課題/領域番号 |
19K24051
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
梶岡 大暉 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 助教 (40842737)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アンドロゲン / 性差 / 外生殖器 / 遺伝子発現制御 / ヒストン修飾 / エンハンサー / Sp1 / MafB |
研究開始時の研究の概要 |
生殖器官の性分化から病態発症・増悪化に至るまでアンドロゲンの関与は多岐にわたるが、その分子制御機構は未解明である。アンドロゲン受容体(AR)は、転写因子として様々な標的遺伝子の発現を巧みに制御する。現在、ARの標的遺伝子として外生殖器の性差形成因子MafBの発現が、GCリッチ領域に結合する転写因子のエピゲノム制御を介して調節されている可能性を見出しつつある。また、次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子発現解析から、性分化過程の外生殖器における新規AR標的遺伝子を同定している。本研究では、外生殖器の性差形成過程をモデルとしてエピゲノム制御を介したAR依存性の普遍的遺伝子発現制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、性差形成過程のマウス胎仔外生殖器をモデルとして、アンドロゲン依存的な遺伝子発現制御機構を明らかとすることを目的としている。本研究結果から、性差形成過程の外生殖器において、雌雄共通にSp1がアンドロゲン受容体(AR)標的遺伝子の発現制御領域においてH3K27のアセチル化を制御していることを明らかとした。さらに、AR標的遺伝子であるMafBのエンハンサーノックアウト(eKO)マウスを用いた解析から、MafB発現低下とともに管腔形成異常を認めたことから、外生殖器の性差形成においてARが標的遺伝子の発現を制御する上で、Sp1によるH3K27のアセチル化の重要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウス胎仔外生殖器において、アンドロゲンが標的遺伝子の発現を制御するにあたり、Sp1によるヒストン修飾を介した転写制御領域の活性化の重要性が示唆された。さらに、次世代シーケンサーを駆使したゲノムワイドな解析により、本制御機構は雌雄共通に保存されていることを明らかにした。このことは、既存報告されてきた遺伝的背景のメス個体が雄性分化するためのアンドロゲン応答性を獲得している分子基盤である可能性を示唆するものである。このようなホルモン応答性の獲得に対する初期分子制御基盤を明らかにしたことは、尿道下裂などの泌尿生殖系の先天性疾患から前立腺癌などの癌病態までの幅広い理解に繋がると期待される。
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