研究課題/領域番号 |
19K24057
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
和田 寛也 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 臨床教授 (70851509)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | メタゲノム解析 / 乳癌 / 腸内細菌 / 次世代シーケンサー / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
メタゲノム解析(次世代シーケンサーを用いたゲノムDNAの解析)にて、実際の癌患者と健常人との腸内細菌叢の比較を行い、乳癌発症と関わる腸内細菌叢を検出し、その腸内細菌叢と乳癌サブタイプ、各癌患者の免疫環境、腫瘍内微小環境(免疫サブタイプ)、臨床病理学的事項の関連性を明らかにし、非消化器腫瘍と腸内細菌叢の関連性を結びつける新たな研究分野を提唱する。
|
研究成果の概要 |
腸内細菌叢のdysbiosisは、炎症性腸疾患などの消化管疾患のみならず、消化管外が標的となる関節リウマチや多発性硬化症などの全身性自己免疫疾患の発症に影響を及ぼすと考えられている。本研究では、非消化器がんの乳癌患者細菌叢の発癌・進展、腫瘍内微小環境並びに宿主の癌免疫応答へ及ぼす影響をTCGA及びBICデーターベースを併用し、特に大腸癌との比較においてメタゲノム解析した。乳癌患者に検出される細菌叢は大腸癌患者の細菌叢と異なっていた。T細胞応答を増強すると考えられるBifidobacterium属の相対的高占有率及びPrevotella属の相対的低占有率と乳癌患者の良好な予後との相関が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、我々の検討にて、乳癌患者に検出される細菌叢は大腸癌患者の細菌叢と異なっており、T細胞応答を増強すると考えられるBifidobacterium属の相対的高占有率及びPrevotella属の相対的低占有率と患者予後との相関が得られたこと及び各々の細菌属は他の細菌属とのネットワークを形成している事から、適切なprobiotics投与などによって、特にICI等の治療効果の増強やcancer promotionの抑制等に影響を及ぼし、乳癌患者の予後改善に寄与できる可能性が示唆されたことは意義深いと考える。
|