研究課題
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糖尿病の合併症の1つとして糖尿病性腎症があげられるが、近年、歯周病がそのリスク因子として影響を与える可能性が注目されてきている。本研究では、糖尿病モデルマウスに対し、P.gingivalis を口腔内投与・静脈内投与し、腎臓の機能・組織学的評価、遺伝子発現の網羅的な解析および16S rRNAに基づいた腸内細菌叢解析を行い、糖尿病性腎症の進行と歯周病との関連を明らかにする。腎臓糸球体由来の細胞株を用いて、P.gingivalis のLPSによる腎臓への影響を評価する。また、歯周炎を有する糖尿病性腎症患者に歯周治療を行い、歯周治療が糖尿病性腎症を改善する可能性について検討する。
糖尿病モデルマウスに対し、P.gingivalisを口腔内投与・静脈内投与し、腎臓の機能・組織学的評価、遺伝子解析を行なった。P.gingivalisを投与した群において尿量と尿中のアルブミンは増加を認めた。また、安楽殺後の腎臓の組織切片では糸球体でのメザンギウム基質、糸球体基底膜に明らかな変化を認めなかったが、皮質の遺伝子解析では炎症関連遺伝子の発現上昇を認めた。
糖尿病性腎症は、臨床的に尿中のアルブミン量の増加や腎臓の尿細管間質での慢性炎症が認められるが、本研究において、P.gingivalisを投与した糖尿病モデルマウスでこれらの臨床症状が悪化するという結果が得られた。しかし、歯周病と糖尿病性腎症の関連性についての明確なメカニズムを解明するためには、遺伝子発現の網羅的な解析および16S rRNAに基づいた腸内細菌叢解析、糸球体由来の細胞株へのP.gingivalis LPS刺激による分化への影響の評価などさらなる実験が必要である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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巻: -
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