研究課題/領域番号 |
19K24071
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 浩史 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10848253)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ヒアルロン酸 / HAS2 / 下顎骨 / 軟骨 / 発生学 / ゲノム医科学 / 分子生物学 / コンディショナルノックアウトマウス / 糖鎖 / 軟骨細胞 / 発生学・形態形成学 / ゲノム医化学 |
研究開始時の研究の概要 |
小顎症は咬合異常や審美障害のみならず、気道閉塞によって生死に関わる重大な疾患である。下顎骨は分子生物学的に多様な制御を受け、複雑な成長様式を示しているため、小顎症の発症メカニズムに関しては不明な点が多い。近年、四肢特異的にヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)をノックアウトしたマウスにおいて、関節軟骨の形成異常により四肢の著しい短縮を認めることが明らかになった。本研究では、顎顔面領域に特異的なHAS2ノックアウトマウスを作製し、下顎骨の形成を三次元形態学的・病理組織学的に解析することで、下顎骨の形成過程におけるヒアルロン酸の役割を解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、神経堤細胞特異的(Wnt1-Cre)あるいはタモキシフェン誘導性(CreERT2)のヒアルロン酸合成酵素2(Has2)のコンディショナルノックアウト(CKO)マウスを作製した。神経堤細胞特異的Has2 CKOマウスではE15.0~出生時において上下顎骨の劣成長が認められた。また、タモキシフェンにてE12.5で誘導したE14.5のCKOマウスで軟骨原基等に形成阻害は認められなかったが、E15.5で誘導したE17.5のCKOマウスでは上下顎骨・四肢・肋骨の短小化を認めた。これらにより、下顎骨を含む全身骨格の内軟骨骨形成過程にヒアルロン酸が大きな役割を担っていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小顎症は咬合異常や審美障害のみならず、気道閉塞によって生死に関わる重大な疾患である。下顎骨は分子生物学的に時空間的に多様な制御を受けて複雑な成長様式を示しており、小顎症発症のメカニズムの全容は未だ明らかになっていない。近年、機能的糖鎖ともいわれるヒアルロン酸の、器官形成における役割が着目されている。本研究においても、HA合成の欠失が下顎骨を含む全身骨格の内軟骨骨形成過程を阻害することがわかった。今後もこれらの分子制御メカニズムの解明がさらに進んでいくことで、分子診断方法の確立だけでなく、補充療法や遺伝子治療等の新規治療法の開発の糸口となることが期待される。
|