研究課題/領域番号 |
19K24073
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
濱本 結太 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (00848476)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病 / 関節リウマチ / 腸内細菌叢の変化 / Porphyromonas gingivalis / ACPA / シトルリン化蛋白 / 腸内細菌叢 / 糞便移植 / 歯周炎 / フコース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではRA発症における免疫応答に関して、宿主側因子に着目し、常在自然リンパ球系の抑制がRA発症における発症にどのように関与するか明らかにすることを目的としている。さらに破壊された腸管組織の修復がRA症状の改善に寄与する方法を動物実験で確立し、臨床応用の基礎的なデータとする。本研究から、特定の細菌をターゲットにした新たな治療戦略を確立でき、生物学的、医学的に重要で卓越した成果が期待できるものである。また、腸内細菌叢とRAをはじめとした全身疾患と、歯周炎の関係についての臨床研究や、口腔内細菌叢の管理が全身症状の改善に寄与できるという概念の確立につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
RAモデルマウスに歯周病菌(Porphyromonas gingivalis, Pg)を口腔感染させると、関節炎が増悪する。今回このPg感染マウスにおいて、腸内細菌叢の変化と、腸組織中の炎症性サイトカインの増加や、RAの自己抗体産生の原因となるシトルリン化蛋白(CP)の増加を認めた。更に、変化した腸内細菌を新しいRAモデルマウスに移植すると、Pgを感染させていない移植マウスで、Pg感染群と同様の腸内細菌叢の変化や炎症性変化が再現された。 Pg感染により腸内細菌叢が変化することで、腸内の炎症性変化やCP産亢進を引き起こし、RA発症に先立たった自己抗体産生の足場となっている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RAは、発症に先立たって自己抗体が産生されることがわかっており、その環境因子として、喫煙による肺組織の炎症や歯周病によるが歯周組織の炎症がこれまでに報告されている。今回の研究で、歯周病原細菌の感染により腸内細菌叢の変化、腸組織中の炎症性変化とRAの自己抗体産生の原因となるCPの産生亢進が認められた。つまり歯周病原細菌の感染による腸内環境の変化が、RAの自己抗体産生の足場となっており、新規の環境因子である可能性が示唆された。 RAと歯周炎の好発年齢は類似しており、早期からの歯科介入による歯周病予防や治療が、RAの発症や病状悪化を予防することに対して非常に有効である可能性が示唆された。
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