研究課題/領域番号 |
19K24077
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
宗政 翔 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40852489)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 唾液 / 唾液腺 / Cftr / イオン濃度 / pH / 口腔乾燥症 / 糖尿病 / 膵臓 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者では、しばしば口腔乾燥症が合併し、歯周病の増悪、義歯の装着困難などが歯科補綴治療に際し問題となる。そのため、口腔乾燥症の病態解明および治療法の確立が急がれている。本研究では、導管細胞での水分泌への影響を解明するため、全身の導管細胞に多く発現しているcystic fibrosis transmembrane conductance regulator (Cftr) に着目し、Cftr遺伝子の変異が糖尿病発症および外分泌機能におよぼす影響を多角的に評価する。さらに、Cftr増強薬が外分泌機能の回復・増強に有効か評価することで、Cftr増強薬が口腔乾燥症の新規治療薬となりうるか検討する。
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研究成果の概要 |
口腔乾燥症による唾液分泌量の低下は歯科補綴治療に際し問題となることが多い。本研究では、Cftr増強薬(Ivacaftor:VX-770)を応用し唾液分泌機能の回復・増強に有効か評価することで、Cftrと唾液腺機能との関連について調査することを目的とした。Ex vivo顎下腺灌流実験の結果、コントロール群と比較してCftr増強薬を投与した実験群では唾液分泌量に変化はなかった。しかし、分泌唾液中のイオン濃度やpHを測定したところ、実験群でNa+およびCl-濃度が有意に低値を示した一方で、 pHは有意に高値を示した。 以上より、Cftr機能の増強によって唾液の質が変化していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔乾燥症による唾液分泌量の低下は、インプラント周囲炎や歯周病の増悪、義歯の装着困難などを引き起こし、歯科補綴治療に際し問題となる。近年では、唾液分泌量は正常であるが、唾液の質の変化により口渇や口腔内の乾燥感が惹起されることが報告されている。本研究では、Cftr機能の増強による唾液分泌量の変化は認めなかったが、唾液の質が変化していることが明らかとなった。今後、唾液の粘稠度といった唾液性状の変化についての評価や質が変化するメカニズムについて解明できれば、口腔乾燥症治療法確立の一助となることが期待される。
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