研究課題/領域番号 |
19K24080
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠太郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40843537)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地域医療情報連携ネットワークシステム / 糖尿病 / 歯科受診 / 糖尿病性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国における医療費の増加は、社会保障制度を維持していく上で非常に重要な問題である。これをうけ、診療データを病院間で共有するシステムが全国で行われ始めている。「地域医療情報連携ネットワーク」と呼ばれるこのシステムは、医療費の適性化に貢献することが期待されている。また、このようなデータベースを用いた研究では大量の情報を迅速に収集することが可能である。そこで本研究では、データベースに登録されているデータを使用し、歯科受診がどの程度、糖尿病の病態(HbA1c、糖尿病腎症、尿蛋白)と関連があるのかを調査するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、糖尿病患者を対象として、地域医療情報連携ネットワークシステム「とねっと」のデータベースを利用し、歯科受診の有無と血糖および腎機能に関連する検査値の変化を評価した。ベースライン時と最終検査時の各検査値の変化量を、歯科受診の有無で比較した結果、血糖値およびHbA1cでは違いを認めなかった一方、腎機能の評価に関わるeGFR (推定糸球体濾過量)においては、歯科受診のある者の方が低下量は少なかった。糖尿病患者では、歯科受診の有無により腎機能に関連する検査値に違いが認められた。特に、eGFRで示される腎機能の低下を防ぐ可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医科歯科連携の重要性が高まる中、歯科医療が糖尿病の病態に与える効果を把握することは、現在一般的に行われている糖尿病治療を更に効果的なものにする可能性があり、さらには近年増加している医療費適正化にもつながるため、大変重要な課題である。本研究により、歯科受診のある糖尿病患者では腎機能の低下が抑制されていることが示唆された。本研究は後ろ向き研究であり、詳細なメカニズムを明らかにすることは難しいが、糖尿病患者での腎機能低下を防ぐ要因の一つとして、歯科受診が関与している可能性が示された。
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