研究課題/領域番号 |
19K24090
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平井 麻絵 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30846530)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PLAP-1 / 歯根膜 / 炎症 / 歯周病 / 破骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
私は、歯周病における歯根膜の炎症反応を解析する過程で、歯根膜に特徴的に発現する細胞外基質タンパクであるPLAP-1の発現が同部の炎症反応により有意に低下することを、in vivo、in vitroの解析から見出した。そこで本研究課題では、炎症反応によるPLAP-1発現低下の分子機序についてmicro RNAの関与に着目し解析する。また、PLAP-1が破骨細胞の形成過程に及ぼす影響についてin vitroにて解析するとともに、PLAP-1ノックアウトマウスを用いたin vivo解析により、PLAP-1の発現低下が歯周病の進行による歯槽骨破壊に及ぼす影響について解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では炎症歯根膜におけるPLAP-1の発現低下が歯槽骨の吸収に及ぼす影響を明らかにすることを目的に研究を実施した。 ヒト歯根膜細胞における炎症性サイトカインによるPLAP-1発現抑制の分子機序に関する解析を行った結果、炎症時にmicroRNA21、101の発現が確認され、両microRNAの関与が示唆された。またリコンビナントPLAP-1が破骨細胞形成過程に及ぼす影響について検討した結果、M-CSF誘導性の骨髄細胞から破骨細胞前駆細胞への分化には影響せず、RANKL誘導性の破骨細胞への分化を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて明らかとなったPLAP-1による破骨細胞形成の抑制は、常にメカニカルストレスに晒された歯根膜においてPLAP-1が恒常的に発現することで歯根膜周囲に生理的範囲を超えた破骨細胞形成が生じないよう恒常性を維持する役割を果たしていると考えられる。しかしながら、炎症反応が惹起されると、歯根膜におけるPLAP-1の発現は低下し骨吸収抑制効果が抑制され、病的歯槽骨吸収の発症と進行に関与すると考えられる。本研究結果は新しい歯周組織の恒常性維持機構の解明につながる情報といえる。
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