研究課題/領域番号 |
19K24094
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 悠加 岡山大学, 大学病院, 医員 (30850424)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 扁平上皮癌 / 口腔癌 / 癌微小環境 / 腫瘍血管 / CXCR4 / 癌微小浸潤 / CXCR4-SDF-2 axis / 抗腫瘍血管治療 / 口腔扁平上皮癌 / 抗CXCR4分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、口腔癌におけるCXCR4-SDF1 axisの血管新生における役割を明らかにし、CXCR4阻害剤を用いた、新たな抗腫瘍血管治療の開発を行うことを目的とする。 CXCR4-SDF1 axisによる血管新生の経路は、VEGF受容体シグナルによる血管新生の経路とは異なることが知られている。したがって、本研究により、抗VEGFR分子標的薬とは異なるアプローチの新たな抗腫瘍血管治療の開発に繋がる可能性がある。また将来的には、抗VEGFR分子標的治療薬と併用することで、より強力な抗腫瘍血管治療に繋げることが可能となる。
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研究成果の概要 |
CXCR4-SDF1(stromal cell derived factor 1) axisは、血管新生に関与し腫瘍の増殖や生存に寄与することが報告されている。臨床検体を用いて口腔の高分化扁平上皮癌にCXCR4を発現する腫瘍血管が存在することを明らかにした。さらに、高分化型ヒト由来口腔扁平上皮癌細胞株(HSC2)をマウスの背部皮下に移植し、CXCR4阻害剤であるAMD3100の腹腔内投与を行った。コントロール群と阻害群で組織学的に比較するとともに血管の走行および形態の比較を行ったところ、CXCR4阻害群では、腫瘍の血管形成が阻害され、低酸素に陥り、腫瘍の壊死を引き起こすことがわかった
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CXCR4-SDF1 axisの血管新生経路は、既存の血管新生阻害薬として知られているVEGFによる血管新生の経路とは異なるため、腫瘍血管におけるCXCR4の役割が明らかとなれば、新たなアプローチの抗腫瘍血管治療の開発につながる可能性がある。また、CXCR4阻害剤であるAMD3100はFDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)により、「造血幹細胞を末梢血に動員する薬剤」として承認を受けた薬剤である。本研究で抗腫瘍効果が認められれば、既存の抗癌剤や分子標的剤との併用療法や、VEGF阻害剤への薬剤耐性化患者に対する新たな治療の選択肢として、臨床応用が期待できる。
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