研究課題/領域番号 |
19K24106
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
原 基 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (90845281)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯髄細胞 / 間葉系幹細胞 / 肝細胞 / 歯の細胞バンク / 再生医療 / 劇症肝炎 / 脱落歯 / 歯髄バンク / 薬剤スクリーニング / バイオ人工肝臓 |
研究開始時の研究の概要 |
幹細胞はiPS細胞やES細胞のほかにも元々体にある組織幹細胞がある。幹細胞は多くの細胞に分化する有力な再生医療の細胞資源である。歯の歯髄の幹細胞は骨髄の幹細胞と同程度の増殖力と分化能をもっている。更に幼児期の抜け落ちた乳歯や抜歯した親知らずなどからとることが出来るため、費用や刺激が少なく特に優れた細胞資源である。申請者の所属する日本歯科大学では2015年より歯髄のバンク事業がスタートしている。歯髄の幹細胞から分化させた肝細胞の形質を持つ細胞を使用して、将来病気になった時に使用する薬の副作用や毒性を確認するためのテーラーメイド細胞資源としての有用性の確立に向けた基礎研究をおこなう。
|
研究成果の概要 |
抜去歯の歯髄細胞を培養し多角形の肝細胞の形態に類似した細胞に分化させた(Hepatocyte-like cell:HLCs)。この細胞はアルブミンを産生し、アンモニアを尿素に転換し、肝細胞特異的転写因子HNF-4の発現を認めた。肝障害ラットの尾静脈からHLCsを投与すると肝障害の程度が抑制された。次に、門脈内または尾静脈にHLCsを投与した場合、門脈からでは短時間のみ肝臓からHLCsが検出された。尾静脈からでは多くのHLCsが肺から検出された。このHLCsが何らかの因子を産生して、免疫抑制効果や細胞増殖効果を発揮し病態改善に関与する可能性を示した。(Paracrine効果)
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯の歯髄の幹細胞は骨髄の幹細胞と同程度の増殖力と分化能をもっている。更に幼児期の抜け落ちた乳歯や抜歯した親知らずなどからとることが出来るため、費用や刺激が少なく特に優れた細胞資源である。日本歯科大学ではこの歯髄細胞を保管し細胞資源として活用する『歯の細胞バンク』の運用を行っている。 この実験の学術的意義は、歯髄細胞の分化の多様性と肝細胞様に分化した細胞が肝機能の性質を持つことが示されたことである。 この実験の社会的意義は、この細胞を使用して、将来病気になった時に使用する薬の副作用や毒性を確認するためのテーラーメイド細胞資源としての有用性を示す第一歩となったと考える。
|