研究課題/領域番号 |
19K24119
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石川 崇典 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学歯学系, 助教 (70845809)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / lncRNA / UCA1 / 骨細胞 / 骨芽細胞分化 / 骨形成 / RNA |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトゲノムからはタンパク質情報を持たない30,000種もの長鎖非コードRNA(lncRNA)が転写されているが、それらの多くは機能不明である。最近申請者らは、がん関連lncRNAの1つである「UCA1」が軟骨細胞分化に促進的に働くことを発見した。そこで本研究では、UCA1の骨芽細胞分化と骨形成における機能の解明を目的とする。本研究の成果は、がん関連lncRNAと言われてきたUCA1の骨格形成における生理的機能を明らかにするとともに、さらにはヒト固有の骨格的特徴の構築機序を解き明かす一助となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
ヒト骨髄間葉系細胞を骨芽細胞に分化させる過程での、骨芽細胞マーカー遺伝子とUCA1の発現を評価したところ、骨芽細胞マーカー遺伝子の上昇を認めた一方、UCA1の発現は減少した。また、ヒト骨髄間葉系細胞にUCA1を強制発現し、骨芽細胞へ分化誘導を行い、骨芽細胞マーカー遺伝子の発現を評価すると、ウイルス感染後1週間の時点では、ALP遺伝子発現の増強が見られたが、その効果は時間と共に減少し、感染後3週間ではALP遺伝子発現に対するUCA1強制発現の影響は見られなくなった。以上より、UCA1は骨芽細胞分化時のごく初期段階で分化を促し、その後の分化過程には影響せず遺伝子発現も消退していくことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長鎖非コードRNAはその多くの機能が不明であって、骨格形成に関与する骨芽細胞の、分化や形質維持と当該RNAの 関連についての報告はわずかである。本研究では長鎖非コードRNAの1つであるUCA1が、骨芽細胞分化の初期段階で分化に関与する可能性を見出した。この作用メカニズムや、UCA1を持たないマウスなどの別種哺乳類にはない、ヒトの骨格特性への関与の検討はこれからの課題となるが、それを含めて将来的には当該RNAの分子機能やヒトの骨格形成機構の解明に寄与し、延いては骨関連の疾患の治療法開発の一助となる可能性がある
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