研究課題/領域番号 |
19K24126
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州歯科大学 (2020) 佐賀大学 (2019) |
研究代表者 |
柳沼 樹 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845064)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乳がん / 顎骨壊死 / MRONJ / BMP3b / GDF10 / BMP-3b / 骨転移 |
研究開始時の研究の概要 |
Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw (MRONJ)はビスフォスフォネート製剤(BP)や抗 RANKL抗体などの骨吸収抑制薬使用による有害事象である。MRONJの誘因としては乳がんなど 骨転移やそれに伴う疼痛緩和のために骨吸収抑制剤が投与されているケースが多い。一方、BMP-3bは肺がんなど様々ながんとの関連が報告されている。そこで本研究では乳がんの骨浸潤におけBMP-3bの役割の解明を目的とする。まず、乳がん細胞を用いてBMP-3bの効果を検討し、最終的にはヌードマウスを用いて乳がんの骨浸潤におけるBMP-3bの役割を検討する。
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研究成果の概要 |
ヒト乳がん細胞MCF-7とマウス乳がん細胞株4T-1をBMP-3b(GDF10)で処理したところ,いずれの細胞においても増殖や移動能が有意に低下した.さらに,それぞれの細胞にBMP-3bを添加すると上皮細胞マーカーであるE-cadherinの発現量が増加し,それとは逆に間葉系細胞のマーカーであるVimentinの発現量が低下した.BMP3bはまた,TGF-βで誘導したリン酸化Smad3の発現量を減少させた.以上から,BMP-3bは上皮間葉移行を誘導することで有名なTGF-βシグナルを制御し,その結果,乳がん細胞の増殖や移動を抑制していると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで乳がん細胞とBMP3bの関連に着目した研究はほとんど皆無であったことから,本研究の学術的独自性は高い.また本研究を発展させることで,乳がんの骨転移メカニズムの一端が明らかにできれば,新たな乳がん骨転移制御法の確立に貢献できる可能性がある.さらに,将来的にビスホスホネートなどのように骨代謝回転を低下させることなく骨転移をコントロールできるようになれば,MRONJの発症を減らすことが可能となり,現在歯科界で問題となっているMRONJの解決に大きく貢献できる.
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