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p53変異細胞特異的に抗腫瘍効果を示す新規化合物9bwの作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K24131
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0907:口腔科学およびその関連分野
研究機関日本大学

研究代表者

築根 直哉  日本大学, 歯学部, 専修医 (20847785)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードポリエチレングリコール / 口腔がん / p53 / 抗がん剤
研究開始時の研究の概要

口腔がんの治療は外科的な切除が中心だが、容貌や機能面への影響が大きく、有効で副作用の少ない化学療法剤の開発が求められる。最近申請者は土壌微生物より抽出された新規化合物9bwが、がん抑制遺伝子p53に変異のあるがん細胞に対して特異的に増殖抑制効果を示すことを見出した。p53野生型のがん細胞や正常細胞を傷害しないため、9bwは有望な抗がん剤候補であると考え、その詳細な作用機序の解明を計画した。本研究では、9bw投与後の既知のp53下流分子の発現・活性化状態の解析、および網羅的発現解析による9bwの標的の探索の両方により、詳細な機序の解明を目指す。

研究成果の概要

これまでに、土壌微生物由来の新規化合物 Nonaethylene glycol mono (’4-Iodo-4-biphenyl) ester (9bw)は、がん抑制遺伝子p53に変異のある腫瘍細胞に対しては強い増殖抑制効果を示すが、p53野生型のがん細胞に対してはほとんど毒性を持たないことを確認している。9bwによる酸化的リン酸化の阻害はp53の変異の有無に関係なくみられることから、その後の反応過程に何等かの差がある可能性が考えられた。そこで、本研究では9bw投与後のATPの低下速度を詳細に検討したが、p53変異の有無で顕著な違いは見られなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では新規ポリエチレングリコール誘導体9bwが、変異型p53を持つ細胞に対し特に強い毒性を示す原因の解明を試みた。結果的に、現時点で明確な理由はつかめていないが、少なくとも9bw による酸化的リン酸化の抑制とそれに伴うATP産生の低下レベルにはp53野生型と変異型の間で差が無いことが確認できた。多くの抗腫瘍薬は細胞のDNAを損傷し、それにより細胞死を誘導するが、変異型p53を持つ細胞は、こうしたタイプの抗腫瘍薬に対して強い耐性を示すことから、p53変異型の腫瘍細胞に対して特に強い障害性を示す9bwは理想的な抗腫瘍薬候補であり、その作用機序を調べる本研究の社会的意義は大きいと考える。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Polyethylene glycol derivative 9bw suppresses growth of neuroblastoma cells by inhibiting oxidative phosphorylation.2020

    • 著者名/発表者名
      Nagasaki-Maeoka E, Ikeda K, Takayama K, Hirano T, Ishizuka Y, Koshinaga T, Tsukune N, Takayama T, Inoue S, Fujiwara K.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 111(8) 号: 8 ページ: 2943-2953

    • DOI

      10.1111/cas.14512

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-09-03   更新日: 2022-12-28  

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