研究課題/領域番号 |
19K24142
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上村 明日香 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90845877)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | レジンプライマー / 微小引張試験 / 破断面観察 / 長期耐久性 / CAD/CAM / CAD/CAMレジン冠 / 接着 / プライマー |
研究開始時の研究の概要 |
CAD/CAMレジン冠の脱離を阻止するため,より確実な接着処理法を確立することは重要な臨床課題である.本研究では新規材料であるMMA含有プライマーに着目し,同プライマーが小臼歯部および大臼歯部CAD/CAM冠用のレジンブロックへの接着に及ぼす効果およびそのメカニズムを解明することを目的とした.その手法として,接着試験,SEM・TEMを用いた形態観察,EDX・接触角測定による表面分析を行い,長期に安定する接着前処理法を明らかにする.本研究はCAD/CAM冠用レジンの接着ガイドラインの確立の一助となり,本邦におけるメタルフリー補綴の普及および保険診療のトラブルの減少に寄与すると考える.
|
研究実績の概要 |
大臼歯部CAD/CAM冠用レジンとレジンセメントの良好な接着を得るため,新たにマトリックスレジンを接着対象としたMMA含有レジンプライマー(以下MMA含有プライマー)に着目した.MMA含有プライマー処理の特徴を捉えるため,フィラーを含まないPMMAレジンブロックを使用し,レジンセメントの長期接着性に与える影響を評価した. フィラー非含有のレジンブロック(Telio CAD,Ivoclar)にアルミナブラスト処理し,対照群,MMA含有プライマー(HCプライマー,松風)処理群,モノマー(UnifastⅢ,GC)塗布群の3群に分け,パナビアV5(クラレノリタケデンタル)を積層築盛し,微小引張(以下μTBS)試験用ビームを作製した.さらに初期,1,3,6か月間水中浸漬後にμTBS試験および破断面観察を行った. μTBS試験の結果,プライマー処理群は対照群,モノマー塗布群と比較して有意に高い接着強さを示し,モノマー塗布群の接着強さは対照群と有意な差はなかった.MMAは単官能性モノマーのため直線の結合様式のみ形成するが,本研究で用いたプライマーに含まれるUDMAは2官能性モノマーであるため,重合過程において3次元的な架橋構造を形成し,より機械的に強固な接着層を形成すると考えられる.水中浸漬1か月には有意な接着強さの低下が認められた.破断面観察では,すべての群においてCAD/CAM冠用レジンブロックと接着性レジンセメント間の界面破壊が多く認められた. 以上より,MMA含有プライマーでPMMAブロックを処理することにより,レジンセメントの長期接着性は向上することが明らかとなった.
|