研究課題/領域番号 |
19K24146
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三海 晃弘 岡山大学, 大学病院, 医員 (20845375)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MRONJ / 幹細胞 / 骨形成 |
研究開始時の研究の概要 |
骨代謝異常が病因として考えられている「薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)」の病態は不明な点が多い.明確な治療法は確立されておらず,病態発生メカニズムの解明や治療法の開発が急務である.これまで,MRONJを間葉系幹細胞機能不全もしくは動員不全モデルとしてとらえる科学的根拠が十分蓄積され,幹細胞誘導・ニッチの観点から理解する必要性がでてきた. 本研究では,抜歯後の歯槽骨再生機序を最新の組織幹細胞生物学により明らかにする.間葉系幹細胞,ニッチを形成する細胞を領域・時期特異的に可視化できる遺伝子改変マウスを作製し,抜歯窩創傷治癒や成熟機序, MRONJ の病態を幹細胞誘導・ニッチの観点から解明する.
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研究成果の概要 |
我々は,MRONJの発症メカニズムを明らかにすることを目的に,MRONJ様モデルマウスの構築・評価,および遺伝子改変マウスを用いた解析を実施してきた.MRONJ様モデルマウスの抜歯窩は術後4週間経過しても治癒することはなく,抜歯窩の周囲骨が壊死することを確認した.さらに遺伝子改変マウスにおける,大腿骨骨折の治癒過程では,間葉系幹細胞が多数観察された一方,抜歯窩の治癒過程では,間葉系幹細胞はほとんどが観察されなかった.本研究において,幹細胞は,骨髄形成に重要な役割を担っていることから,大腿骨と抜歯窩の創傷治癒過程における間葉系幹細胞の量の違いがMRONJ発生に関わっている可能性が考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進行する日本では骨粗鬆症患者も増加し続けている.骨粗鬆症の第1選択薬であるビスフォスフォネート (BP) 製剤だが強力な骨吸収抑制作用を持つ一方で,投与されている患者において侵襲的歯科治療などを引き金に顎骨壊死が発生するMRONJが社会的問題となっている.MRONJはその発症原因及び治療法も未だ解明されていない.本研究により抜歯を引き金に発生したMRONJの発生メカニズムには何らかの形で間葉系幹細胞が関わっていることが明らかとなった.今後はさらに詳細に検討していく予定である。これらの研究はこれまで解明されていない,MRONJのメカニズムおよび治療法の開発において大きな一歩である.
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