研究課題/領域番号 |
19K24197
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯部 悠 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30848627)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 一酸化炭素中毒死 / 血中CO-Hb濃度 / ミトコンドリア遺伝子変異 / 血中CO濃度 / マルチオミクス解析 / 血中 CO濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
CO中毒死事例は年間2,000人前後であり、日本の中毒死亡者の半数近くを占める。法医解剖事例においてCO中毒死事例が散見されるが、その中には血中CO濃度が致死的高濃度でないにも関わらず、死に至った事例が複数存在する。法医解剖業務の一環として死因究明を目的にゲノム解析を実施しており、当該事例においてはミトコンドリア遺伝子の高病原性希少変異が同定された。本研究では法医解剖事例におけるCO中毒死事例のCOによって障害を受ける心臓、脳などの臓器所見・ミトコンドリア遺伝子の変異・当該組織の遺伝子発現量情報を組み合わせたマルチオミクス解析を実施することにより、非致死的CO濃度で死に至る機序の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
一酸化炭素(CO)中毒死事例は年間2,000人前後であり、日本の中毒死亡者の半数近くを占める。法医解剖事例においてもCO中毒が死因と見られる事例が散見されるが、その中には血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度(CO-Hb)が致死的高濃度でないにも関わらず、死に至った事例が複数存在する。 本研究では、致死的ではないCO-Hb濃度で死に至る機序の解明を目的とし検討を行った。CO中毒死事例において、各種臓器所見および検査所見に相関のある有効な因子を認めなかったが、1例ミトコンドリアの遺伝子変異が検出された。このことから、ゲノム変異により一酸化炭素がミトコンドリア機能障害を起こしたのではないかと示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲノム検査を詳細に検討することによって、より詳細な死因究明および病態の理解が進み、将来的に救命の一助となることが示唆された。今後、各種検査記録のデータやゲノム検査を通じて得られた結果を今後蓄積することで、相関のある有効な因子をみつけられ、より正確な死因究明が可能となり、詳細な病態についての知見を臨床に還元することで死亡数の減少に繋がることが考えられた。さらに本研究を通して得られた知見は、火災などの致死的一酸化炭素中毒死事例に限らず、発電機などの内燃機関やガス溶接・ガス溶断などの作業環境などその他の血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度が上昇し得る状況においても応用が可能であると考えられる。
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