研究課題/領域番号 |
19K24201
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山田 裕美子 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90840215)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 原子力災害 / 初動対応 / 保健師 / 原子力防災 / 被ばく防護措置 / リスクコミュニケーション / 安定ヨウ素剤 / 防護措置 / リスク認知 / ITB / 原子力発電所 / 福島第一原子力発電所事故 |
研究開始時の研究の概要 |
早期の避難及び飲食物の流通制限・摂取制限、そして安定ヨウ素剤の予防内服の3つが、原子力災害時の住民の被ばくを最小限に抑えるための効果的な戦略である。 しかし、福島原発事故では、安定ヨウ素剤の予防内服について国や自治体からの正確な情報が住民に伝わらず混乱と不安を招いた。 今後、より実効性のある安定ヨウ素剤服用・管理体制を構築するため、住民の安定ヨウ素剤に関するリスク認知とそれに関連する要因を検討する。
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研究実績の概要 |
これまでに原子力発電所周辺に居住する母親の原子力災害時の防護措置のひとつである安定ヨウ素剤服用に関するリスク認知を明らかにした調査を実施している。その結果を受けて、緊急時対応を行う側の保健師の初動対応について調査を行う必要があるとし、今回、原子力発電所立地県の保健師を対象に原子力災害時の初動対応への準備状況及び影響要因について明らかにすることを目的にWebアンケート調査を実施した。保健所・市町村の58施設へ研究参加の依頼を行い、24施設より承諾を得た。研究対象者は352名であり、回答率は24.1%であった。原子力災害発生直後から十分に保健師活動ができると思うかの問いに関して、非常にそうお思う・そう思うと回答したものは0%であり、ややそう思うと回答したものはわずか7.1%であった。また、原子力災害発生時に自分の役割を理解しているものは36.5%であり半数以上が自分の役割を理解できていなかった。原子力災害時の保健師の初動で重要な役割である、住民の避難支援と安定ヨウ素剤服用に関する支援についての回答は、94.2%と、ほとんどの保健師が一般住民の避難支援が十分に行えないと回答、さらに91.6%が安定ヨウ素剤服用に関する相談対応に自信がないと回答した。今後、さらに詳しく解析し、保健師の原子力災害時の初動対応の準備状況および影響要因を明らかにした結果を対象者の所属する自治体や県と共有する予定である。また、学会発表や論文にて調査結果を公表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染拡大の影響で研究対象となる保健師はその対応に追われ、打合せの日程調整や研究開始の承諾を得るまでに長期間を要したため、アンケートの回答までは得られたがその後の解析、論文執筆まで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Webアンケートで得られた回答について解析し、原子力発電所立地県の保健師の初動対応に関する準備状況及び影響要因を明らかにする。調査結果は、学会発表及び論文化し公表する。また、結果を基に保健師への教育内容を抽出後、対象自治体にて研修会を実施する。
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