研究課題/領域番号 |
19K24247
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
三木 貴子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 疫学・予防研究部 上級研究員 (20849070)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抑うつ / 労働者 / 栄養疫学 / 縦断研究 / 日本人 / 予防疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の自殺死亡率が高く、自殺者数のうち過半数がうつ病の兆候を示していることから、その予防要因を科学的に明らかにすることは急務である。近年、食事・運動要因等は身体疾患だけでなく精神健康に関しても重要な要因であることが指摘されてきている。しかしながら、食事・運動要因等の生活習慣と精神健康の関連を検証した前向きコホート研究は世界的にも少なく、日本における報告はほとんどない。本研究では、日本人を対象とした前向き職域栄養疫学研究により生活習慣(食事・運動要因等)と抑うつ症状との関連をデータ検証、及び総説する。
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研究成果の概要 |
本研究では、うつ病の予防対策として生活習慣と精神健康の関連を明らかにすることを目的とし、以下の研究を実施した。前述した目的を達成するために、職域栄養疫学研究のデータベースの構築に取り組んだ。関東地方の企業の従業員を対象として定期健康診断時に栄養、抑うつ症状、運動などに関する自記式調査を2019年に実施した。データクリーニングを行い、職域栄養疫学研究のデータベースを構築した。次に上記のデータベースにて、食事の抗酸化能と抑うつ症状発症との縦断的な関連、孤食と抑うつ症状との横断的な関連、各血清アミノ酸濃度と抑うつ症状発症との縦断的な関連を分析し、結果を学会にて発表するとともに国際英文雑誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、食事の抗酸化能と抑うつ症状との縦断的な関連を初めて検証したものであり、その学術的独創性は高いといえる。また、孤食と抑うつ症状との横断的な関連を分析した。その結果、同居者がいる人では、誰かと一緒に食事をする頻度が少ない人は、多い人に比べて抑うつ症状が多いことが明らかになった。本研究は、労働者において孤食と精神健康との関連を検証した数少ない研究の一つである。さらに、日本人労働者においてアミノ酸と抑うつ症状との縦断的な関連を初めて明らかにした。このように抑うつに関する栄養疫学による予防要因の解明に資する知見を創出した点で社会的意義が高いと考える。
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