研究課題/領域番号 |
19K24260
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 美穂 (後藤美穂) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50599909)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロタウイルス / 種間伝播 / G4P[6] / 遺伝子型 / ブタ / ベトナム / 急性胃腸炎 / 全ゲノム解析 / 次世代シークエンス / ブタロタウイルス / ヒト |
研究開始時の研究の概要 |
G4P[6]ブタロタウイルスはヒトロタウイルスにも一般的に見られるG-P遺伝子型をもつことからあまり注目を集めてこなかったが、申請者は、アジアにおいてはヒトから検出されるG4P[6]ロタウイルスの大部分がブタからヒトへと種間伝播したブタロタウイルスである可能性を見出した。 本研究は、ヒトのロタウイルス感染におけるG4P[6]ブタロタウイルスの寄与を評価するとともに、G4P[6]ブタロタウイルスの種間伝播の様式とヒトへの適応過程を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ベトナムのロタウイルス下痢症患児から検出されたG4P[6]株の全ゲノム解析を行ったところ、すべてのG4P[6]株はブタロタウイルスに一般的に見られる遺伝子型構成(G4-P[6]-I1/I5-R1-C1-M1-A8-N1-T1/T7-E1-H1)を有していた。分子系統解析の結果とあわせて、これらは本来はブタを宿主とする株であると結論づけられた。このG4P[6]ブタロタウイルスはロタウイルス下痢症の原因の約2%を占めていた。また、互いに疫学的関連のない患児から同一のG4P[6]ブタロタウイルス株が検出されたことから、これらの株が同地域でヒト-ヒト感染により維持されていた可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロタウイルスは発展途上国のみならず先進国においても乳幼児の重症下痢症の原因として最も重要な病原体である。本研究では、本来はブタを宿主とするG4P[6]ロタウイルスが宿主の壁を越えてヒトに感染(種間伝播)し、さらにヒトからヒトへの感染を起こしたという可能性を示唆する結果を得た。このような動物由来のロタウイルスに対する現行のロタウイルスワクチンの効果は不明であり、本研究はその流行動態を注視する必要性を提示するとともに、ベトナムにおいてはP[6]遺伝子型の判別と塩基配列の解析がロタウイルス株の本来の宿主の推定に有用であることを示した。
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