研究課題/領域番号 |
19K24284
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山縣 桃子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50848223)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 関節負荷 / 筋骨格モデル / AnyBody Modeling System / 膝関節内反モーメント |
研究開始時の研究の概要 |
内側型変形性膝関節症は,膝関節内側部の軟骨へ力学的な負荷が繰り返し起こることによって徐々に進行する疾患である.従来,膝関節の力学的負荷を評価する方法として膝関節内反モーメントが用いられてきたが,この指標は膝関節の局所的な負荷を評価できておらず,筋張力による影響も考慮できていない. そこで本研究は,内側型変形性膝関節症患者を対象に,筋活動のパターンや,筋張力による影響を考慮した膝関節内側部への局所的な接触力を算出し,これが変形性膝関節症の重症度や疼痛と関連しているかを検討する.加えて,これらの指標が実際に将来の変形性膝関節症の進行を予測できるかを検討する.
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研究実績の概要 |
内側型変形性膝関節症(膝OA)において、膝関節への力学的負荷を表す指標として外部膝関節内反モーメント(KAM)が用いられてきたが、これは筋収縮によって発生する張力は考慮できていない。そこで本研究は、筋張力を考慮した膝関節への圧縮力(KCF)を算出し、KAMとKCFがそれぞれ膝OAの重症度や症状と関連しているかを検討することを目的とした。 対象者は、膝OA患者29名とし、軽度膝OA群14名と重度膝OA群15名に分類した。課題は快適歩行とし、三次元動作解析装置を用いて、対象側の立脚期中のKAMを算出し、第一ピーク(KAM_p1)と第二ピーク(KAM_p2)を抽出した。さらに、筋骨格モデルを用いて、KCFの第一ピーク(KCF_p1)と第二ピーク(KCF_p2)を算出した。加えて、日本語版The Knee Society Score(KSS)の下位項目を用いて、膝症状を評価した。KSS症状スコアは、25点満点で評価され、点数が低いほど膝症状が強いことを意味する。 関節負荷に関連する指標が膝OAの重症度によって異なるかを調査した結果、KCF_p1のみ有意差を認め、重度膝OA群は、軽度膝OA群に比べKCF_p1が有意に小さいことが明らかになった。またKSS症状スコアとの単相関分析の結果、KSSスコアとKAM_p2には負の相関、KSS症状スコアとKCF_p1、KCF_p2には正の相関がみられた。さらに、歩行速度を制御変数として偏相関分析を行うと、KCF_p1、KCF_p2のみKSSスコアと関連することも明らかになった。 本研究により、筋骨格モデルにより算出したKCFと従来用いられてきたKAMが異なる特性を有することが明らかになり、KCFが膝OAの重症度や膝関節の状態を反映する新たな指標として有用である可能性が示唆された。
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