研究課題/領域番号 |
19K24287
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
中村 高仁 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (70847962)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脳卒中 / 方向転換 / ステップ / 高齢者 / 片麻痺 / 重心 / 歩行 / バランス / 転倒 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中者にとって、歩行中の方向転換動作は転倒リスクが高いものの、転倒に起因する動作メカニズムは未だ不明な点が多い。これは、実験の設定条件と日常生活で行われている場面との乖離がみられることが一因と考える。本研究では、不意のタイミングで方向指示が付与された場合の動作(Reactive turning)に焦点を当て、脳卒中者の方向転換ステップ動作を定量的に解析し、転倒に関する運動行動学的メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は進行方向提示から動作修正までに時間的余裕のない方向転換課題(Reactive turning)を用い、脳卒中片麻痺者のステップ動作に潜在する転倒関連因子の解明を目的とした。先行研究を踏まえ、新たに方向転換後に歩く地点を規定した空間的制約条件を付与した。第一課題では健常成人を対象に進行方向提示位置を検討し、方向転換地点から2歩分離れた位置に設定することが適切と判断した。第二課題では脳卒中者を対象に、方向特異的な戦略の変化について検証した。結果、Reactive turning時の麻痺側方向転換では反応開始が遅延し、方向転換地点内での性急な応答戦略となり転倒に繋がり得る可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中は要介護状態となる主たる原因であり(平成29年度内閣府:第1位17.2%)、多くの罹患者がリハビリテーションの対象となっている。脳卒中者の転倒率は健常高齢者の2倍(Jorgensen 2002)とされ、転倒により骨折するリスクも高い(Kanis 2001)。そのため、脳卒中者の転倒予防は社会的に非常に大きな意義がある。 脳卒中者の転倒時動作では、方向転換動作は歩行に次いで2番目に多い(Hyndman 2002)が、転倒に起因する動作メカニズムは未解明である。本研究成果により、麻痺側への反応遅延に起因する応答戦略について示した学術的意義は高いと考えている。
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