研究課題/領域番号 |
19K24293
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
及川 哲志 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (20844997)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マイクロRNA / RNA代謝 / 骨格筋 / ノンコーディングRNA / 生物学的半減期 / 新生RNA / in vivo |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,小分子ノンコーディングRNAであるマイクロRNA(miRNA)の代謝動態を検討するために,培養細胞を用いた実験が行われており,現在までの報告では,miRNAの半減期は数時間から48時間程度とされている.一方,生体におけるmiRNAの代謝動態に関する報告はないが,申請者らは最近,生体骨格筋でmiRNAが極めて安定に維持されることを見出したことから,培養細胞と生体内におけるmiRNAの代謝動態には大きな乖離があることが示唆された.そこで本研究では,マウスの骨格筋をモデルとし,新生RNAをラベリング・追跡する技術を用いて,生体内におけるmiRNAの代謝動態を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,生体骨格筋におけるマイクロRNA(miRNA)の生物学的半減期を明らかにすることを目的とした.新生されたmiRNAを標識・単離し、PCRによる発現解析を行った結果,骨格筋に発現するmiRNAは72時間以内に代謝されたことが明らかとなった.さらに,薬剤誘導性miRNA欠損マウスを用いた解析ではmiRNAの急速な発現低下が観察された.以上の検討から,生体骨格筋のmiRNAの生物学的半減期は数時間から長くとも数日である可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々を含むいくつかの研究グループは,骨格筋のmiRNAが非常に高い安定性を持ち,細胞内で4週間以上も維持されている可能性を示した.しかし,本研究によって骨格筋miRNAの生物学的半減期は30時間程度であることが初めて明らかとなり,生体骨格筋におけるmiRNAは当初期待されたほど安定でないことが示唆された. miRNAは基本的に細胞内で機能するが,これらの一部は血液中にも存在し骨格筋の状態(サルコペニアなど)を反映するバイオマーカーの候補としても注目されている.本研究成果は,miRNAの骨格筋における機能や、筋の状態を示すバイオマーカーの有用性などに関する研究を進める上で基礎的な知見となる.
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