研究課題/領域番号 |
19K24302
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
肥田 直人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 産総研特別研究員 (80850552)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歩行 / 高齢者 / 重心 / 動的安定性 / 転倒予防 / 身体重心 / 最大速度での歩行 / Falls / Fast walking / Balance control / Inverted pendulum model / Center of mass |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が急激に進んでいる我が国にとって転倒予防は喫緊の課題である.高齢者における歩行速度の低下は転倒の予測因子であるが,歩行速度の低下した転倒ハイリスク者は,より安定性を重視した歩行戦略をとっており,その歩行はむしろ安定しているといえる.一方で,横断歩道など,時間的制約により歩行速度の増加を要求される状況下においては,安定な歩行を実現できないことで転倒が生じていると考えられる.そこで本研究では,歩行速度の増加に伴う歩行の動的安定性の変化を明らかにすることで,転倒のメカニズムを解明する事を目的とする.将来的には本研究の成果を活かし,高齢者の転倒予防を目的とした効果的な訓練手法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,健常な若年者と高齢者を対象とした.通常および最大速度歩行時の重心の位置と速度を算出し,重心の動的安定性を評価した.その結果,通常および最大速度条件における重心の位置と速度は,若年者と高齢者のいずれにおいても動的安定領域より外に位置していた.最大速度条件での安定余裕に群間で有意差はみられなかった一方で,高齢者の重心は有意に前方に位置しており,これは群間の歩幅の違いに起因していることが考えられた.速度条件に寄らず高齢者の歩行中の重心は若年者と同程度前方に不安定であるが,最大速度での歩行時には,若年者と高齢者の間で歩幅の違いが顕著に表れることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から,速度条件に寄らず高齢者の歩行中の重心は若年者と同程度前方に不安定であるが,最大速度での歩行時には,若年者と高齢者の間で歩幅の違いが顕著に表れることが明らかとなった.これらの結果は,高齢者の転倒メカニズムに対して動的バランス制御の観点から新たな知見を与えるものである.得られた知見は,高齢者の効果的な転倒予防トレーニングの確立につながる.
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