研究課題/領域番号 |
19K24320
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤野 雄次 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (00847155)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 頚部振動刺激 / 主観的身体垂直 / 脳卒中患者 / 傾斜方向性 / 動揺性 / 健常者 / 振動刺激 / 主観的身体垂直認知 / 脳卒中 / 頚部固有受容器 / バランス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトがバランスを保つためには、重力に抗う筋や骨格の作用だけではなく、身体の空間的位置を正確に把握できているかが重要とされる。その中で申請者は、「身体の垂直性を判断する能力(SPV)」に着目し、高齢者や脳卒中患者のSPVを調査し、姿勢バランス異常には運動機能の低下や障害だけでなく、SPVの異常があることを確認した。そこで本研究では、バランス反応がみられる頭部や下肢などの位置関係を変化させ、さらに頚部へ振動刺激を加えることによるSPVへの影響を検証することを目的とする。 本研究により、SPVの適正化による脳卒中患者の姿勢バランス障害の新規治療法の開発に貢献できると考えられる。
|
研究実績の概要 |
身体の垂直性を判断する能力(主観的身体垂直認知:SPV)に対し、後頚部への振動刺激(Neck Muscle Vibration;NMV)がいかなる影響をおよぼすかを検証した。 対象者は脳卒中例20例とし、NMV条件(介入群)とNMVなし群(sham群)に各群10名ずつ無作為に振り分けた。刺激条件は、振動周波数80Hz、刺激時間10分とし、振動刺激側は麻痺側とした。SPVの測定には、電気垂直測定機器(Electrical Vertical Board; EVB)を使用し、測定条件は足底非接地、腕組みの姿勢とした。検者は、EVBを15°または 20°の位置から1.5°/ sの速さで前額面上で座面を動かし、対象者の身体が垂直と感じた時点での座面の角度をデジタル角度計から測定した。 SPVの計測は、開始位置(左右)と角度(15°・20°)がPseudorandomになるように、1セッションに計8回実施した。角度は、垂直位を0°、非麻痺側への傾きをプラス、麻痺側への傾きをマイナスの値と定義し、 1セッション8試行の平均(傾斜方向性)と標準偏差(動揺性)を算出した。SPVは振動刺激前・刺激中・刺激後の3セッション(計24回)測定した。その結果、脳卒中患者では傾斜方向性は振動刺激によって影響をうけないのに対し、動揺性は振動刺激によって減少した。一方、刺激終了後の持ち越し効果はみられなかったことから、今後は後続効果が得られる手法を検討する必要があると考えられた。 今後、脳卒中例における頚部振動刺激の影響と、健常者との特性の差異を解析・公表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月までに健常成人に対する後頚部振動刺激による身体垂直性への影響についてデータ収集は終えたが、2021年度に健常者のコントロール群(振動刺激なし群)のデータ収集を追加した。 COVID-19の影響にて脳卒中患者のデータ収集に難渋したが、2023年3月に20例の収集を終え、現在、論文投稿に向け準備中である。
|
今後の研究の推進方策 |
健常者ならびに脳卒中患者の身体垂直性に対する後頚部振動刺激の影響について、集積されたデータを解析し、脳卒中例における頚部振動刺激の影響と、健常者との特性の差異を解析・公表していく。
|