研究課題/領域番号 |
19K24321
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
田中 未央里 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (00845505)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エクオール / 骨代謝 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 炎症 / アポトーシス / 骨粗鬆症 / 鏡像異性体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々な疫学研究や動物実験において、ダイゼイン代謝産物のエクオール産生による骨粗鬆症予防効果が報告されている。しかしヒトの約50~70%はエクオール産生菌を保有しておらず、直接摂取する方法が有効である。エクオールには鏡像異性体が存在し、生体内ではS体のみ産生されることから、S体及びR体の骨疾患に対する有効性や作用機序、安全性について比較検討を行った研究はない。そこで本研究では、エクオール鏡像異性体が骨代謝に及ぼす影響の差異と詳細な分子メカニズムを解明するとともに、骨粗鬆症モデル動物を用いて生体内での効果を比較することを目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究では、ダイゼイン代謝産物であるエクオールの各鏡像異性体が骨代謝に及ぼす影響について、培養細胞ならびに動物モデルを用いて比較検討を行った。培養細胞において、エクオール鏡像異性体は破骨細胞分化を抑制し、特にS体で強い作用を示すことを見出した。そのメカニズムとしてNF-κB, MAPK, NFATc1の活性化を抑制すること、S体のみ破骨細胞のアポトーシスを促進することを明らかにした。また閉経後骨粗鬆症モデルマウスにおいて、S体の投与により骨量減少が抑制され、血中及び組織中のエクオール濃度はR体と比較してS体で高値を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクオールと骨疾患の関連については複数の疫学研究、動物実験がなされているものの、先行研究は全てS体に着目しており、S体とR体の比較検討を行った研究はない。本研究では、エクオール鏡像異性体の骨疾患に対する有効性及び安全性を比較することを目的とし、さらに詳細な作用機序を明らかにすることで、食品因子による骨疾患予防・改善メカニズムに新たな知見をもたらすものと考える。要介護の主要因である骨疾患の予防を目指す新たな食生活スタイルを提案することは、QOL向上や医療費削減等にも繋がるため、社会的意義は非常に大きい。
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