研究課題/領域番号 |
19K24326
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
小山 優美子 帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (00845042)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慣性センサ / 関節負荷 / 動作分析 / 高齢者 / 変形性関節症 / 日常生活動作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、中高齢者の間でも特に困難を来しやすい階段昇降動作及び起立動作に着目し、慣性センサを用いた身体運動及び関節負荷の新たな評価法を検討することである。 このような動作の評価をより簡便に行えることで、医療現場内外での運動指導に応用が可能となる。本研究では、身体重心及び下肢の各体節の加速度特性から、関節への力学的負荷の推定が可能であるかを検討するとともに、変形性関節症の発症リスクが高いことで知られる、高齢者の身体重心及び下肢体節の加速度特性を若年者と比較することで、加齢によって生じる動作の変化が関節への負荷に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は慣性センサを用いた歩行中の関節への力学的負荷の評価法を、若年健常者を対象に検討することである。対象者には快適歩行を行わせ、その際の運動学的、運動力学的データを三次元動作解析装置ならびに慣性センサを使用して計測した。その結果、下腿の前傾角速度ならびに上部体幹に対する相対的な下腿の前傾角速度大きいほど外的膝関節屈曲モーメントが大きいことが示された。また、重回帰分析を行ったところ、上部体幹に対する相対的な下腿の前傾角速度のみが有意な関連因子として抽出された。膝関節の矢状面での力学的負荷の推定には、体幹の運動にも着目し、下肢の運動を体幹の相対値として計測することが有用であると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、慣性センサによる動作解析技術は急速に発展しており、センサのみで精度の高い関節トルクの推定が可能となった。しかし、現状では高精度の推定には高度な技術を要するなど、実用性の改善を要するものであり、加速度データそのものより得られる情報から動作の評価を行えることは、実用性の観点から優れている。本研究結果より、慣性センサの角速度データを用いて、膝関節の矢状面での力学的負荷を推定できる可能性が示唆された。さらに体幹部との相対的な下肢の回転速度を計測することでより精度の高い推定が可能となることが示された。本研究は慣性センサの応用性を拡大させ、下肢関節の負荷の少ない身体運動の制御方法の解明に繋がる。
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