研究課題/領域番号 |
19K24329
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
芝田 純也 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (70844166)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非侵襲的脳刺激法 / 経頭蓋静磁場刺激法 / 脳深部刺激 / ニューロモデュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
医工学の発展に伴い、デバイスで脳や脊髄を刺激し神経ネットワークを可逆的に調節するニューロモデュレーションの臨床応用が進んでいる。脳深部領域は様々な疾患に関与しており、手術を必要としない非侵襲的な脳深部刺激療法の開発は社会的有用性が高い。経頭蓋静磁場刺激法(tSMS, transcranial static magnetic stimulation)は、高強度の永久磁石を頭表に留置し直下の脳皮質を抑制する。安全かつ安価であるが、神経調節に有効な磁場を脳深部領域には形成できない。本研究は、複数の静磁場を頭蓋内で合成することにより非侵襲的に脳深部を刺激できる、シン磁場刺激の開発に挑む。
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研究成果の概要 |
経頭蓋静磁場刺激は、頭表に留置した強力な小型磁石で脳皮質の活動を抑制する。安全かつ安価だが、磁場は磁石からの距離に応じて減弱するため、脳深部領域では神経機能の調節に有効な磁場が形成されない。本研究の目的は手術不要の脳深部刺激を可能にする静磁場刺激(シン磁場刺激)を開発することである。 頭蓋内に形成される静磁場のシミュレーション結果に基づき、表面磁束密度5340Gのネオジム磁石(直径50mm,幅30mm)3個を用いてシン磁場刺激装置を作成した。空気中で静磁場を実測したところ、シン磁場刺激装置は従来の経頭蓋静磁場刺激よりも、磁石から離れた部位でより大きな静磁場を形成することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳基底核、脳幹、視床、海馬などが含まれる脳深部領域は、ニューロモデュレーションの重要な刺激部位である。深部領域を脳内電極で刺激する脳深部刺激療法(DBS, deep brain stimulation)は頑痛、パーキンソン病、振戦やジストニアの治療に用いられている。海外ではてんかん、精神疾患の治療にも応用されている。DBSは標的とする神経ネットワークを変更することで、様々な疾患の治療に応用でき、その適応はますます拡大すると考えられる。しかし、DBSは脳内電極や刺激装置を埋め込む手術が必要であり侵襲性が高い。安全かつ安価で手術を必要としない非侵襲的な脳深部刺激法の開発は社会的な有用性が高い。
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