研究課題/領域番号 |
19K24333
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
浅原 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90847584)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 随意運動 / 循環調節 / セントラルコマンド / 運動イメージ / 床歩行 / 巧緻運動 / 運動時の循環調節 / 歩行運動 / 運動 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが自発的に運動を始める際、運動に先立って心拍数、心拍出量の増加が生じ、骨格筋では運動に必要な酸素を供給するため、血流量の著しい増加が生じる。このような運動開始時における循環調節は、脳からの“見込み的指令”により引き起こされると考えられている。これまでのところ、見込み的循環指令が脳のどのような領域から発生し、どのような回路を介して循環応答を引き起こすかは明らかではない。そこで、本研究では、ヒトおよび動物を用いた実験から、運動開始に遅れることなく循環応答を引き起こす見込み的循環指令の脳内ネットワークの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
運動時における循環機能の調節メカニズムとして、運動指令と関連して脳高位中枢から下降する見込み的循環指令(セントラルコマンドと呼ぶ)がある。セントラルコマンドは心循環系をフィードフォワード的に調節する信号であると定義されているが、その脳内ネットワークや制御機構など詳細は明らかでなかった。本研究は、大脳皮質の一部領域(背外側前頭前野、腹外側前頭前野、前頭極)が歩行運動開始に十分先行して活動し、この活動がセントラルコマンドに関連した活動であることを発見した。さらに、このセントラルコマンドの役割として、手指巧緻運動時において、運動に関連する前腕筋に選択的な血流量増加を引き起こすことを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、ヒトの手指運動時の骨格筋血流量増加に見込み的循環指令に関わっている可能性を、この循環指令の生成に大脳皮質前頭前野の一部領域が関わっている可能性を示唆する。大脳皮質前頭前野は、ヒトならびに動物実験で積極的に研究が進められている脳領域で、この領域の有する多種多様な高次脳機能が明らかにされてきている。本研究は、前頭前野の新しい役割についての示唆を与える。この知見から、将来的に運動時における中枢性循環調節機構が解明されれば、教育生理学に限らず、運動科学、リハビリテーション医学など幅広い学問の進展に貢献できるだろう。
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