研究課題/領域番号 |
19K24359
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 格子ボルツマン法 / 都市風況 / LES / アンサンブル計算 / LBM / GPU / アンサンブルデータ同化 / AMR |
研究開始時の研究の概要 |
建築物が密集する都市部における汚染物質拡散予報を実現するため、GPUで高速に計算できる格子ボルツマン法に基づく風況解析の実時間アンサンブルデータ同化手法を開発する。既往研究では都市部2km四方・1m解像度の実時間計算が達成されているが、計算には百台規模の並列計算を要している。アンサンブル計算に基づくデータ同化手法を導入するためには1ケースの計算規模を数GPU程度に抑える必要がある。本課題では、AMR法の高度化により要求GPU数を既往研究の10分の1以下まで低減するとともに、アンサンブルデータ同化手法を導入し、汚染物質の高精度拡散予測システムの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
格子ボルツマン法に基づく数m解像度の都市風況・汚染物質拡散解析に対し、アンサンブルデータ同化の実装に向けた研究開発を行った。まず、アンサンブル計算をMPI化し、100アンサンブル程度の大アンサンブル計算を系統的に行うことができるように実装した。次に、このコードを用いて、アンサンブル統計の評価を行ったところ、以下のことが明らかとなった。(1) 風速のヒストグラムは概ねガウス分布に従うが、汚染物質濃度のヒストグラムは正規分布を示さず、ゼロ付近の値が高頻度に出現する対数正規型の分布になった。 (2) 風速の共分散を評価したところ、風速の瞬時値ではなく時間平均値を同化する必要があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンサンブルデータ同化は、気象庁の天気予報などで既に実用化された技術であるが、天気予報などの広域の計算で用いられる格子解像度は数100m~数kmである。一方で本研究では、都市部の局所風況を対象として、数mの解像度格子を用いている。このような高解像度格子では、従来見えなかった高周波・高波数の変動(乱流)が含まれるため、これまでのデータ同化手法を系統的に適用することができるかどうか自明ではなかった。本研究により、都市風況では、瞬時値は乱流の影響を強く受けるため、都市風況にデータ同化を適用するためには瞬時値の代わりに時間平均値を同化する手法を新たに開発する必要があることが明らかになった。
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