研究課題/領域番号 |
19K24367
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
馬場 美香 玉川大学, 脳科学研究所, 研究員 (30844592)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経科学 / 質感 / 視覚 / IT / サル / 電気生理学 / 透明感知覚 / IT野 / マカクザル / 知覚的透明感 / 心理物理実験 / 減衰係数 / アルベド / 透明感 / 脳・神経 |
研究開始時の研究の概要 |
透き通ったガラスや、柔らかい陰影を持つゴムや人肌など、現実世界の物体がもつ透明感・半透明感は非常に複雑かつ多様である。本研究では、これらの多様な透明感の違いを見分ける脳内神経機構を明らかにすることを目的とし、ヒトに近い質感認知機能を持つサルの高次視覚野において、透明感知覚にかかわる神経活動の計測を試みる。実験では、コンピュータグラフィクス(CG)を用いて作成した、様々な異なる透明度を持つリアルな物体画像群をサルに見せ、サルの視覚野の神経細胞が、物体の透明度が異なるとどのように活動を変化させるかを計測する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒトや動物がどのように実世界の様々な透明または半透明な物体を見分けているかを解明するために実験を行った。まずヒトにおける心理実験から、知覚的な透明感には主に光の減衰係数が影響するが、形状によっては物体の明るさも影響することがわかった。さらにマカクザル下側頭皮質において神経細胞活動記録をおこない、物体の透明度に選択性を持つ細胞群を発見した。これらの細胞は特定の透明度や半透明度をもつ物体に対してより強く応答し、また皮質上の特定の部位に固まって存在していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現実世界の物体がもつ複雑で多様な透明度・半透明度のちがいを、ヒトや動物は簡単に見分けることができるが、それを可能にする脳内神経メカニズムについてはほとんど研究がなされていない。本研究ではコンピュータグラフィクスで作成したリアルな物体画像を使用することで、サル高次視覚野の特定の場所において、透明度の違いに対して異なる反応を示す神経細胞群が存在することを初めて明らかにした。これにより、透明感の知覚に関する情報処理が脳内でどのように行われているかについて今後更に解明が進んでいくと期待される。
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