内視鏡医療支援を目的とした内視鏡画像からのポリープ３次元形状情報獲得

• 研究課題/領域番号: 19K24370
• 研究種目: 研究活動スタート支援
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
• 研究機関: 中部大学
• 研究代表者: 宇佐美 裕康 中部大学, 工学部, 助教 (10847669)
• 研究期間 (年度): 2019-08-30 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円); 2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 内視鏡支援システム / ３次元形状情報獲得 / 医用画像処理 / Deep Learning / 血管領域抽出 / 敵対的生成ネットワーク / Shape from Shading / 内視鏡医療支援システム / 画像生成 / ポリープ３次元形状情報獲得 / 潜在的幾何情報 / Medical Image Processing / Computer Vision / Computer-aided Diagnosis / Endoscopy

研究開始時の研究の概要

我が国における大腸癌罹患者数は増加の一途を辿っており，診断支援を目的とした医用画像処理技術の確立が求められている．ポリープの形状は，悪性腫瘍の場合ではその形態形成に大きく起因し，診断時の重要な情報となる．また，内視鏡による術式は，開腹手術を伴う術式に比べ，身体への負担が軽く，優れるが，大腸は胃や食道に比べて腸管の壁が薄いため技術的な難易度が高く，ポリープの正確な3次元形状情報を医師に提供することは手術成功率向上に不可分の関係にある．本研究は，血管の形状等の潜在的幾何情報と光学的制約を基礎とした(SfS:Shape from Shading)を融合させる新たな３次元形状情報獲得手法の研究を行う．

研究成果の概要

内視鏡画像から血管領域を抽出する深層学習ネットワークの構築に関する研究開発を行い,抽出した血管領域から,高精度な血管構造解析手法の研究開発を実施した.その結果,血管を構成する血流の流量に着目することで,血管の幾何学的情報獲得に関する研究を実施した.具体的に,血管の主流,分流の血流を血流量で偏微分し,血管の主流,分流で整合性の取れる領域を血管半径の幾何学情報が正しく得られる領域とし,光学的形状復元手法に必要な光の反射係数獲得を実現した.その結果,血管の潜在的幾何情報と光学的制約を融合する新たな3次形状獲得手法の基礎を確立した.これらの研究実績は,学会誌,国際会議等で発表し,特許申請を進めている.

研究成果の学術的意義や社会的意義

悪性腫瘍は，その形態形成に大きく起因し，診断時の重要な情報となる.また，内視鏡による術式は，開腹手術を伴う術式に比べ，身体への負担が軽く，優れるが，大腸は胃や食道に比べて腸管の壁が薄いため技術的な難易度が高く，ポリープの正確な3次元形状情報を獲得することは手術成功率向上に不可分の関係にある.
CT・MRIによる臓器の形状情報獲得手段が挙げられるが，大腸の場合では蠕動運動等の要因から，正確な情報獲得が困難である. 本研究は，一般的な内視鏡画像を対象とし，血管等の潜在的幾何情報と光学的制約を融合させる新たなポリープ3次元形状情報獲得手法の研究開発を行なった点で学術的意義ならびに社会的意義が高い．

研究成果

• [国際共同研究] Indian Institute of Technology Guwahati(インド)
• [国際共同研究] Chulalongkorn University(タイ)
• [国際共同研究] Harbin Univ. of Science and Technology(中国)
• [国際共同研究] Indian Institute of Technology Guwahati(インド)
• [国際共同研究] Chulalongkorn University(タイ)
• [雑誌論文] Colorectal Polyp Classification Based On Latent Sharing Features Domain from Multiple Endoscopy Images (2020)
  • 著者名/発表者名: Usami, H., Iwahori, Y., Adachi, Y., Bhuyan, M. K., Wang, A., Inoue, S., ... & Kasugai, K.
  • 雑誌名: Procedia Computer Science 巻: 176 ページ: 2507-2514
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Graph Matching Approach between Endoscope Images for Non-Rigid Motion using Blood Vessel Structure (2020)
  • 著者名/発表者名: Emoto, S., Iwahori, Y., Funahashi, K., Usami, H., Ogasawara, N., & Kasugai, K.
  • 雑誌名: Procedia Computer Science 巻: 176 ページ: 1754-1762
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Mediastinal Lymph Node Detection using Deep Learning (2019)
  • 著者名/発表者名: Jayant Singh, Yuji Iwahori, M. Bhuyan, Hiroyasu Usami, Taihei Oshiro, Yasuhiro Shimizu
  • 雑誌名: ICPRAM2020 巻: ICPRAM20-RP-34 ページ: 159-166
  • 査読あり / 国際共著
• [学会発表] PoC貧乏を防ぐファクターXについて-画像処理技術からの一考察- (2021)
  • 著者名/発表者名: 宇佐美裕康
  • 学会等名: 2021年電子情報通信学会総合大会
  • 招待講演
• [学会発表] Blood Vessel Structure Analysis in Endoscopic Images for Computer-Aided Diagnosis (2020)
  • 著者名/発表者名: Kato, S., Usami, H., Iwahori, Y., Okazaki, A., Kijsirikul, B., Ogasawara, N., & Kasugai, K.
  • 学会等名: 9th International Congress on Advanced Applied Informatics, IEEE
  • 国際学会
• [学会発表] Detection of Lymph Nodes using CNN from Contrast-Enhanced CT Images (2020)
  • 著者名/発表者名: Ono, T., Iwahori, Y., Usami, H., Kijsirikul, B., Bhuyan, M. K., Oshiro, T., & Shimizu, Y.
  • 学会等名: 9th International Congress on Advanced Applied Informatics, IEEE
  • 国際学会
• [学会発表] Pore Detection from Human Skin Image using U-Net (2020)
  • 著者名/発表者名: Kachi, K., Iwahori, Y., Usami, H., Fukui, S., Wang, A., & Bhuyan, M. K.
  • 学会等名: 9th International Congress on Advanced Applied Informatics, IEEE
  • 国際学会
• [学会発表] スタイル変換ネットワークにおける中間層を用いたポリープ有無の分類 (2020)
  • 著者名/発表者名: 朝日一憲，岩堀祐之，宇佐美裕康，小笠原尚高，春日井邦夫
  • 学会等名: 令和2年度電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会
• [学会発表] 医用画像診断支援を目的とした内視鏡画像における血管構造解析 (2020)
  • 著者名/発表者名: 加藤俊輔，宇佐美裕康，岩堀祐之，岡崎明彦，小笠原尚高，春日井邦夫
  • 学会等名: 令和2年度電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会
• [学会発表] 内視鏡画像の血管構造に着目したグラフマッチング手法 (2020)
  • 著者名/発表者名: 江本峻, 岩堀祐之, 舟橋健司, 宇佐美裕康, 小笠原尚高, 春日井邦夫
  • 学会等名: 第18回情報学ワークショップ(WiNF)
• [学会発表] CNNを用いた造影CT画像からのリンパ節の検出 (2020)
  • 著者名/発表者名: 大野樹生, 岩堀祐之, 宇佐美裕康, 大城泰平, 清水泰博
  • 学会等名: MIRU 2020
• [学会発表] U-Netを用いた人の皮膚画像からの毛穴検出 (2020)
  • 著者名/発表者名: 可知奎介, 岩堀祐之, 宇佐美裕康, 福井真二
  • 学会等名: MIRU 2020
• [学会発表] 血管構造に基づく非剛体運動のための画像マッチング手法 (2020)
  • 著者名/発表者名: 江本峻, 岩堀祐之, 舟橋健司, 宇佐美裕康, 小笠原尚高, 春日井邦夫
  • 学会等名: MIRU 2020
• [学会発表] 内視鏡画像における良性悪性腫瘍分類のための深層学習モデル (2020)
  • 著者名/発表者名: 伊藤能平, 宇佐美裕康, 岩堀祐之, 小笠原尚高, 春日井邦夫
  • 学会等名: 知能情報ファジィ学会東海支部
• [学会発表] 人工知能の歴史と原理 - ドラえもんは具現化するのか? - (2020)
  • 著者名/発表者名: 宇佐美裕康
  • 学会等名: 2020年電子情報通信学会総合大会
  • 招待講演
• [学会発表] 深度マップを用いたU-NetによるLST 型ポリープの検出 (2019)
  • 著者名/発表者名: 宮﨑將太，岩堀祐之，宇佐美裕康，Boonserm Kijsirikul，小笠原尚高，春日井邦夫
  • 学会等名: 第17回情報学ワークショップ (WiNF 2019)
• [学会発表] スタイル変換ネットワークを用いた効率的なポリープ分類 (2019)
  • 著者名/発表者名: 朝日一憲，岩堀祐之，宇佐美裕康，小笠原尚高，春日井邦夫
  • 学会等名: 第17回情報学ワークショップ (WiNF 2019)
• [備考] researchmap
  • URL: https://researchmap.jp/usahiro
• [備考] Go to M. K. Bhuyan's Publication Page
  • URL: http://www.iitg.ac.in/mkb/index/page-details.php?page=7b40ac32f1c14cfa296bea608dbbc6ab3603a367
• [備考] Boonserm Kijsirikul' Publication Page
  • URL: https://www.cp.eng.chula.ac.th/~boonserm/mypub.htm