研究課題/領域番号 |
19K24380
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
岩田 高志 神戸大学, 海事科学研究科, 助教 (10636913)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シロナガスクジラ / バイオロギング / 海洋環境 / 音響 / 加速度 / データロガー / 動物生態 / 保全 / SDGs |
研究開始時の研究の概要 |
地球上最大の動物であるシロナガスクジラは絶滅危惧種として指定されているにも関わらず、彼らの生態についての情報はほとんど知られていない。本研究では、シロナガスクジラの保護に繋げるために、彼らの生態を理解することを目的とし、アイスランド・フーサビック湾にて野外調査を実施する。シロナガスクジラの詳細な生態を記録するために、クジラに動物装着型の記録計を装着し、得られたデータを解析する。漁業、観光、資源採掘など様々な人間活動の場面において、本研究で得られる成果はシロナガスクジラの保護に貢献できるものと考えている。
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研究成果の概要 |
シロナガスクジラを含む大型ヒゲクジラ類の生態把握を目的とし、動物装着型記録計を用いた行動調査を実施した。2012-2021年の期間にアイスランドで得られたシロナガスクジラ6個体およびザトウクジラ14個体の行動データから、それぞれ1534回、6521回の潜水を記録が得られた。行動データから1潜水あたりの採餌イベント数の平均を年別に算出し、その採餌イベント数と水温(0m、20m、50m)の関係を調べたところ、採餌イベント数は深度50mの水温と負の相関が示された。調査海域に来遊するヒゲクジラ類は深度30-60m付近に分布する餌生物を採餌するため、深度50mの水温変化の影響を受けることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海生哺乳類や海鳥類などの海洋高次捕食者の行動は生態系変動の指標として用いる試みがされている。一方で、大型ヒゲクジラ類の行動は調査をすることが難しいことから、それらを生態系変動の指標として用いられた例は少ない。本研究では大型ヒゲクジラ類であるシロナガスクジラとザトウクジラの複数年に渡る行動記録から、ヒゲクジラ類の採餌イベント数が深度50m付近の水温に影響されていたことを示した。ヒゲクジラ類の採餌行動が、気候変動に伴う生態系変動の指標となる可能性を示すことができた。
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