研究課題/領域番号 |
19K24388
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 茜 関西学院大学, 生命環境学部, 助教 (30844659)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 6価クロム / 超苦鉄質岩 / 風化 / ラテライト / 逐次抽出 / 同位体 / 六価クロム / クロム同位体 / 安定同位体 / 岩石風化 / ニッケルラテライト鉱床 / TIMS / クロム / ニッケル / 環境動態 |
研究開始時の研究の概要 |
かんらん岩や蛇紋岩などの超苦鉄質岩の化学風化により形成されたラテライト鉱床は,インドネシアやミャンマーなどの東南アジア諸国を含む熱帯・亜熱帯地域に広く分布しており,レアメタルの新たな供給源として注目されている.しかしながら,鉱床の開発においては人体に有害な6価クロムの溶出による周辺土壌および河川の汚染が問題となっている.本研究では,酸化・還元反応によって大きな変動を示すクロムの安定同位体比(53Cr/52Cr)に着目し、6価クロムの生成機構および逐次抽出法による溶出挙動を明らかにすることで風化岩石・土壌中のクロムの環境動態を定量的に理解し,6価クロムの有効な汚染防止策や浄化策の提案に繋げる.
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研究成果の概要 |
近年の新たなレアメタル供給源として注目されているニッケルラテライト鉱床では、開発に伴い有害な6価クロムの溶出が懸念されている。本研究では、低環境負荷な開発実現のため、ラテライト鉱床における6価クロムの生成と溶出に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした。元素の指紋と呼ばれる同位体分析から、6価クロムの生成が浅部で起きており、溶出しやすさには表層付近の有機物量や6価クロムを還元し土壌に固定する2価鉄の量が影響を与えていることを明らかにした。本研究成果は、これまでの濃度分析からでは明らかにできないクロムの挙動について直接的な証拠を与え、クロム同位体が環境評価の有用な指標となることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラテライト鉱床における6価クロムの溶出問題は、レアメタルの供給をこのタイプの鉱床に頼っている日本においては重要な課題である。また、超苦鉄質岩の風化による6価クロムの自然起源汚染はいくつかの国で確認されており、本研究成果はこれらの研究について同位体分析および存在形態分析が有効であることを示した。
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