研究課題/領域番号 |
19K24391
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
渡 卓磨 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (10845811)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脱炭素 / 物質フロー / 鉱山開発 / 国際貿易 / 気候変動 / ガバナンス / マテリアルフロー解析 / 将来予測 / エネルギーシステム / 金属資源循環 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は2℃および1.5℃目標を実現する大規模エネルギー転換が駆動する国際資源フローを推定し,それに起因する環境的被害の将来予測を可能とする新規数理モデルの開発を目的とする.そして,資源の国際貿易によって形成される環境的被害の加害者、被害者という国家間の“空間的利害関係”の将来変化の解明を目指す.研究成果は,空間的利害の縮小に資する貿易補助金制度やフェアトレード等の枠組み構築に科学的根拠を提供し,公正な国際エネルギー政策の創造を喚起することが期待される.
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研究成果の概要 |
本研究は、世界的なエネルギー転換に伴う資源採掘量の変化を詳細かつ包括的に解析することで、持続可能な資源利用を伴った気候変動緩和策の実装支援を目的として研究を進めた。主要な研究成果として、発電部門のエネルギー転換は資源採掘量を削減するのに対し、運輸部門は特定の金属需要増加によって、資源採掘量を2050年にかけて倍増させることを初めて明らかにした。また、鉱山開発モデルを援用することで、資源採掘量増加の32-40%が資源ガバナンスの貧弱な国で発生する可能性を確認した。一連の研究により、脱炭素技術導入下での責任ある資源管理のために、特に注視すべき技術・鉱種・国(ホットスポット)の特定に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱炭素技術導入の背後で管理すべき資源量が増加するという、これまで見過ごされていたトレードオフの可能性を明らかにした点が本研究の重要な貢献の一つである。これにより、持続可能な資源利用を伴った気候変動緩和策の重要性を広く国際社会に発信することが出来た。加えて、本研究で明らかになった注視すべき鉱種・技術・国という情報は、消費側からの有効な介入策を検討する際の優先順位付けに利用可能である。
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