研究課題/領域番号 |
19K24396
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
山口 珠葉 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(横浜), 研究員 (30845293)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 貧栄養海域 / リン / 溶存有機物 / アルカリフォスファターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
広大な面積を占める亜熱帯海域は栄養の乏しい「海の砂漠」と呼ばれるが、海洋全体でみるとその生物生産は高く、従って食物連鎖の起点となる微生物がどのように貧栄養な環境に適応しているかを解明することは重要な課題である。そこで本研究は生物の必須元素であるリンに焦点をあて、課題解明の鍵として亜熱帯海域で枯渇する無機態のリン化合物の代わりとなる有機態のリン化合物に着目した。現場海洋での培養実験や酵素活性測定、遺伝子解析などを通じて、この有機態リンの代替栄養源としての重要性、生成・分解過程にかかわる微生物種等について明らかにすることで、貧栄養環境における微生物の生存戦略をより深く理解できると期待される。
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研究成果の概要 |
易分解性溶存有機態リン(LDOP)は、栄養塩の乏しい海洋環境において生物生産を支える重要な化合物の一つである。本研究は、このLDOPが環境中へ供給される生物学的プロセスの一つとして、微小動物プランクトンの捕食による影響を初めて実証した。加えて、この捕食行動に伴うLDOP供給は現場濃度の変動を十分説明できるほど大きかったことから、LDOP動態そのものにおいても重要なプロセスであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋における溶存有機物、とりわけLDOPの動態については未だ不明な点が多いことから、その供給プロセスにおける微小動物プランクトンの捕食の重要性を定量的に評価したことで、その起源に迫る新規知見が得られた。一般に「海の砂漠」と称される貧栄養海域ではあるが、その全球的な生物生産の規模は大きく、今回それを支える栄養塩動態の一端が明らかになったことで、将来的に持続可能なよりよい海洋利用へ繋がると期待される。
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