研究課題
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
本研究計画は、生命科学で注目されている(液液)相分離の視点からスーパーエンハンサーなどのゲノム調節領域の理解を深め、がん研究への応用を目指す計画である。核内でエンハンサーRNAなどをゲノムワイドに分解するRNAエキソソームに注目し、RNAエキソソームによるRNA制御がスーパーエンハンサーや転写凝集体の調節で重要な役割を持つことを見出した。また、がんにおける相分離異常を解析するために、細胞内相分離の主要なドライバーである天然変性領域や染色体外環状DNAに注目した研究も実施した。さらに、数理モデルを用いた遺伝子制御研究の発展形として、ゲノム編集の効率や安全性を飛躍的に高める新技術の開発に成功した。
近年の研究により、転写制御やゲノム制御において、(液液)相分離と呼ばれる現象が重要な役割を果たす可能性が示唆されている。一方で、核内で転写因子や転写調節因子からなる相分離凝集体(転写凝集体)がどのように形成され、ゲノムと相互作用し、遺伝子の発現を制御するのかという基本的な分子機構はほとんど解明されていない。本研究では、非コード領域からの転写・RNA産生がどのように転写凝集体を制御しているのかという点に注目し、転写凝集体の基本的分子メカニズムに関する重要な知見を得ることができた。さらに、天然変性領域や染色体外環状DNAに関する研究は新しいがん研究の展開やがん治療の開発につながることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)
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