研究課題/領域番号 |
19KK0003
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 上智大学 (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
浜渦 辰二 上智大学, グリーフケア研究所, 教授 (70218527)
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研究分担者 |
中 真生 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (00401159)
小手川 正二郎 國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
池田 喬 明治大学, 文学部, 専任教授 (70588839)
川崎 唯史 東北大学, 大学病院, 特任講師 (90814731)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 現象学 / 子育て / フィンランド / ネウボラ / 傷つきやすさ / 父親と母親 / 祖父母 |
研究開始時の研究の概要 |
フィンランドの先進的な子育て支援施設「ネウボラ」では、出産前から親の経済的状況や労働環境、パートナー間の人間関係や周囲との人間関係について、妊婦や父親となる男性との対話や相談が行なわれ、それによって、支援者が一方的に子育てについての知識を教えるのではなく、妊婦やパートナー自身が、自分たちの置かれた環境に沿って自分たちの子育ての認識や知が育まれている。本研究は、現象学の方法を用いて、「ネウボラ」において形成・再形成される親の子育て経験を当事者の視点から解明するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本の現象学研究者がフィンランドの現象学研究者とともにフィンランドのネウボラ(出産・子育て支援センター)のフィールド調査を行い、子育て(child care)の哲学的問題を国際共同研究として現象学的に考察することを目指した。ところが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により渡航・調査を断念せざるをえない状況が続き、やむなく研究期間を1年間延長した。最終年度内に渡航することに最後の望みを賭けつつ、共同研究の比重を文献調査へと移し、論文集『子育ての現象学』の発行を目指した。2023年3月中旬に最後のチャンスと渡航・調査を決行し、4月28日発行の同書にその調査報告も収録することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、福祉や保健の問題として第三者的視点から論じられることが多い子育ての問題を当事者の視点から現象学的に考察することで、これまで見逃されていた事象を明らかにするという学術的意味をもっている。それはひいては、現代日本社会において細かい制度や財政の問題として論じられがちな子育て支援のもつ哲学的問題を明らかにすることに貢献することなる。百年に一度の世界的パンデミックのなか、本研究は当初の計画通りには進まず予定変更をせざるを得なかったが、小規模なものとなったもののフィールド調査もすることができ、論文集を研究報告書として編むことができ、将来へ続くための足がかりとなるものを残すことができた。
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